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綺麗だというあなたが綺麗だ


目の前には豪奢な扉。

日本支部の祓魔師にはお馴染みのもので、その扉は例の悪魔がいる支部長室に繋がっている。

ここにくるときは大抵気が重たいが、今日は一段と重たかった。

というのも遡ること、三分前。





「やあ、雪男くん」


報告書に支部長のサインをもらうため、支部長室に行く途中に佐藤先生とばったり会った。


「こんにちは佐藤先生」

「君も報告書?」

「はい。今しがた終わった任務のものと昨日の調査書を」

「さすが。仕事早いねえ。みんな君程でなくても提出期限守ってくれればいいのに」


いっそのこと雪男くんの爪の垢煎じたお茶でも配ろうか、なんてわりと真剣味を帯びた声で言う。

報告書の遅滞はすべて彼の所属する情報管理部へとしわ寄せされる。

情報管理部の主な仕事は報告書をまとめ、データ化し、それに関する任務及び作戦を考えることだ。

こちら側は悪魔に関する情報が圧倒的に少ない。

少しでもそれを補うためにどんな任務でも報告書の提出が義務付けられている。

ところが報告書一枚が遅れるとどうなるか。

すべての作業が遅れることになり、極端な話、祓魔が遅れ、被害が拡大。

最悪死者が出ることになる。

そういう点において、情報管理部は現場よりも忙しい。

兄さんが祓魔師になったら報告書の遅滞なんて日常茶飯事だろうな。

心の中でご迷惑かけますと言いながら当たり障りのない世間話をした。


「あの佐藤先生、一つ聞いてもいいですか?」

「なんだい?」

「最條先生がどこにいるかご存知ないですか? 来週の授業と小テストについて相談しなければいけな

いのですが」

「……うーん。少なくとも俺は知らないなあ」


一瞬奇妙な間があったが、たぶん一日の行動を思い出していたのだろう。


「そうですか」

「……力になれなくてごめんね。――っと、そろそろ戻らないと今日中に帰れなくなる」

「無理なさらないでください」

「常に予定すし詰め状態の雪男くんに言われるとはね。それじゃあ」


去っていく佐藤先生に会釈し、自分も早く提出して授業の準備をしようと上司の待つ部屋へ歩き出した。

ところが、


「あ、そうだ」


佐藤先生の声に思わず振り返った。

そして何か言い忘れたのか、こちらに戻ってきた。


「佐藤先生?」


なんだろうと首をひねると、耳を貸してと言うようにちょいちょいと人差し指を曲げた。

周りに僕ら以外だれもいないことを十分に確認してから静かにこう言った。


「今支部長室に行くと珍しいものが見れるよ」

「……珍しいもの?」

「そう。あれにはさすがの俺も驚いたなあ」


それだけ言うと、何に驚いたかと聞く前にさっさと去ってしまい、ただ一人廊下に取り残される。

珍しいもの? 驚いた?

一体なんのことだろうか。

年齢のわりにはあの悪魔とは長い付き合いだ。

最初こそ彼の奇抜な格好など、ヒトのものさしでは到底測れない突飛な行為に驚いていたが、回数を重ね

るうちに「こんなことでいちいち驚いていたら心臓が持たない」と、今ではある程度のことならスルーできるようになった。

驚くことはなくなったとはいえ、困ることに変わりはないが。

だが、今言いたいのはそういうことじゃない。

自分よりも長く祓魔師として働いている佐藤先生が驚いたという。

それの言葉が意味するのは――。





「はあ……」


長い回想を終えると、思わずため息が溢れる。

まだ何も始まっていないのに、どうしてこうも深いため息が出るのか。


『そんなに警戒しなくても大丈夫さ。少なくとも悪いことにはならないよ――』


去り際、佐藤先生が残していった言葉が頭の中で再生される。

フェレス卿本人から言われるよりは断然信用できるが、それでも気分は晴れなかった。

だが、情報管理部のことを考えると、報告書の提出は早いことに越したことはない。

もうどうにでもなれ。

不安をかき消すように扉を叩いた。


「フェレス卿、奥村です」


たっぷりニ拍置いたところで「は〜いどうぞ〜」といつも以上に愉快そうな声が聞こえた。

そんな上司に一瞬舌打ちしそうになるも、感情を押し殺して扉を開けた。


「……?」


パッと見た限り、部屋はいつもどおりだった。

豪奢の中にも落ち着きのある家具と、それとは一生相いれないであろう美少女フィギュアたち。

部屋の主はいつもどおりの白いスーツを纏っている。

ただいつもとは違う点がひとつ。


フェレス卿から少し離れたところで見知らぬ女性が書類の束をめくっていたのだ。


「奥村先生? どうかなさいましたか?」

「あ、いえ」


この場にいるということは恐らく同業の人だろう、と結論づけ、意識をフェレス卿に戻す。


「魍魎とその巣の駆除の報告書と先日調査した鎮守の杜に関する調査書です」

「いま確認しますね」


ぱらりと紙を捲り、目を通し始めた。

前者はわりとよくあることなので二枚で済んだが、後者は厚さにして2センチは優にある。

さらにこの調査書は次の大きな祓魔に関係するものなので、前者のように軽く目を通すわけにはいかない。

確認している間、視線は自然とあの女性に向いた。


純粋に綺麗な人だと思った。


女性にしては少々小柄だが、ピンと伸びた背筋。

纏うスーツは量産された安物ではなく、素人目にでもわかるような逸品もので、隙のない造りはきっとオーダーメイドなのだろう。

その胸元には祓魔師の証でもある赤と青のブローチが光っている。

光の加減によっては銀にも見える青白い髪は後ろで黒いバレッタで一つにまとめられており、清廉されたその姿は決して表立つことはないが、社長を支える秘書のようだ。

前髪は左側だけ耳の後ろで止めており、右はそのままで目が僅かに見える。


そして綺麗だと思った一番の要因は半分伏せられたその目だ。


髪よりも深い、燻し銀のような瞳は宝石のような輝きもなければ、柔らかい温かさも感じられない。

どこまでも冷たく、生気を感じさせないようなそれは精巧に作られたもののよう。

加えてその目を覆うノンフレームの眼鏡は知的な印象を与えるのと同時により一層彼女に冷たい印象を持

たせる。

そんな冷たい目はあまりいい印象を与えないのにどうしても視線が逸らせなかった。


「――? 奥村先生?」

「あ、はい! なんでしょう?」


つい見とれていたせいか、すぐに反応できなかった。

一瞬、彼女を盗み見たが、書類に集中しているのか、僕の存在すら感じていないようだった。


「どうかしましたか?」

「いえ、別に。なんでもありません」


そうですかと受け流す悪魔だが、その顔はどこまでも人を馬鹿にした笑みを浮かべていた。


「何か不備でも?」

「いえ。いつもながら完璧でしたよ。さすがですね」


上辺だけでも「ありがとうございます」と言っておく。

フェレス卿がサインしているのをみてふと思い出した。

佐藤先生の言っていた珍しいモノとは何だったんだ?

確かにフェレス卿はいつも以上ににやついているが、何か仕掛けてくる気配はない。

もしかしたら扉の前でもたついているうちにその珍しい何かは終わってしまったのかもしれない。

これからなのかもしれないが、用は済んだので巻き込まれないうちに退室しよう。


「あ、そうだフェレス卿」


つい佐藤先生の一件で忘れていたが、この悪魔に一つ聞かなければいけないことがあった。

なんですか? とやはり意地の悪い笑顔で答えるが、これさえ聞けばとっとと帰れるのだ。


「最條先生がどこにいるかご存知ないですか?」

「ん……? どうした?


まさに探していた人の声に思わず体が跳ね上がる。


「なんだ奥村、いつの間にいたんだ?」


フェレス卿への質問に答えたのは、あの女性で、


「え、え、えっ……?」


普段なら絶対に助けなんか求めなかったのに、この時ばかりはフェレス卿に、藁にもすがるような視線を

向けた。


「目の前にいらっしゃるじゃないですか」


きらりんとウインクを飛ばした言葉に頭を強く殴られた気がした。







場所は打って変わって塾の談話室。


「まさか全く気づいていなかったとはな」


例の麗人、もとい綴さんは困ったように笑いながらコーヒーカップに口をつけた。


「……すみません」


例えばシュラさんのように豪快に笑い飛ばしてくれたならまだよかったのかもしれない。


「なに。謝ることじゃないさ」


気にするな気にするな、とフォローに回ってくれるが、逆に気分はどんどん降下していく。

気づく要素はたくさんあった。

例えば特徴的な髪色だとか背格好とか。

仮にも七歳の頃からともに祓魔塾で学び、幾度も戦場をともに立ったというのに、それだけでわからなく

なるなんて不甲斐ない。

本当に。


「しかしさっきの反応から察するにスーツ姿は初めてだったか?」

「いやスーツというよりは、その……目が……」


ガラス越しの彼女の目が僅かに大きくなる。

今の今まで彼女の素顔を、目をちゃんと見たことがあっただろうか。

時折隙間から見えることはあったが、それは一瞬でほんの一部だけだ。


「……いつも前髪で隠れていたので」

「ああ、それもそうだな」


かたんとコップを置く音が嫌に耳についた。


「まあそう落ち込むな。何も奥村が初めてじゃない」


そういうと彼女は今まで同じことを繰り返してきた人々のことを笑いながら話し始めた。


「――と、まあこんな感じだから気に病むことなんてないさ」


彼女はそう締めくくると、また困ったように笑いながら右中指でブリッジを上げた。

いつも自分がしている動作ではあるが、彼女のをみるとなんだか言いようのない罪悪感に襲われた。


「ところで綴さん、目悪かったんですか?」

「まさか」


大げさに肩を竦める。

流れるような動作で眼鏡を外すと、見てみろと差し出してきた。

自分のを外し、代わりに彼女のをかけると、何を言いたかったのかすぐにわかった。


「伊達、ですか」


彼女の眼鏡をかけてもぼやけた視界は変わらなかった。


「そういうわけだ」

「しかしなんでまた?」


眼鏡を返しながら問う。

すると、苦虫を噛み潰したような顔で「あー……えーっとだな、」と彼女には珍しく言葉を濁し始めた。

落ち着きがないのかしせんは彷徨っている。

祓魔師という職業は一部において守秘義務を課せられることがある。

スーツ姿ではあるが、胸元に祓魔師のブローチがあるということは恐らくそうなのだろう。

と、いつもの自分ならそれらを瞬時に理解し、話題を変えることができた。


いつもの自分なら。


支部長室の時と同じ、彼女から視線を外せずにいた。


「……」


彼女は軽い手つきで眼鏡の蝶番を持ち、ツルの先を僅かに咥えていた。

ただそれだけのことなのに、妙に色っぽく感じた。

シュラさんの色っぽさとは違い、どこか上品さがある。

そのとき、彼女が先程眼鏡を押し上げたときに感じた罪悪感はきっとここからくるものだと思い知った。

自覚した途端、急に羞恥を覚え、全てをかき消すように用意されていたコーヒーを一気に煽った。


「お、奥村、どうかしたか?」


勢いよくテーブルに戻されたコップの大きな音に驚く。


「何でもないですよ」


咄嗟に醜い感情を全て隠して笑顔で答える。

こういうとき小さい頃から癖だった作り笑顔が得意で良かったと思う。

現に彼女は全く訝しむことなく、まだ残っていたコーヒーに口をつける。


「目が悪いかと聞かれたが、そういう奥村はどうなんだ?」

「え?」

「気分を害すかも知れないから先に謝っておく。竜騎士、だけではないが前線で戦う者として視力が悪い

というのは不便じゃないか? 何かの拍子に眼鏡が外れてしまった時とか。輪郭はわかるとしても急所が細部だったなら尚の事」

「そうですね……裸眼では0.1もないと思います」


ふむ、と綴さんは少し眉を寄せると、ソファから腰を上げ、


「あ、ちょっ」


僕から眼鏡を取り上げた。


「うわっ、思いのほか強いな」


そのままかけようとすると、目に近づけた途端仰ける。

もう一度試みるも、耐えられないとやはり逸らした。


「任務中に何度か眼鏡なしで戦っているところを見たことあるが、よく狙えるな」

「確かに初めはそのせいで危ない目にも遭いましたが、日頃の鍛錬・実践を積めばそこまででもないですよ」

「さすがだな」


シュラさんのように揶揄するわけでもなく、兄のように妬むわけでもなく、心の底から感嘆しているようだった。


「綴さんに言われるとなんだか照れますね」

「そうか?」

「そうですよ」


今までずっと近くで努力してきた彼女だからなのだろう。

自分もそうだが、彼女も歳はそう変わらないし、差別するわけではないが、女性である彼女がここまで来るのに積み上げてきたものはきっと自分以上に違いない。


「そろそろ返してもらってもいいですか?」

「……ああ、そうだな」


視界がクリアになる。

非常時は仕方ないが、やはり眼鏡がないと落ち着かないな。


「しかしつくづくもったいないな」


独り言なのか、やけに声量は小さかった。


「何がですか?」

「目だ。その目」


目? と聞き返すと、


「綺麗な青なのに眼鏡で覆ってしまうと微妙に隠れてしまうのがだ」


全く顔色を変えずに平然とそんな殺し文句を言ってのけた。

一瞬、間が空く。


「……何をバカなことを言うんですか」


こればかりは呆れずにはいられなかった。


「それを言うなら兄の方が綺麗ですよ」


ため息をつくと、わずかに残っていたコーヒーを飲む。

青い目はサタンの落胤である証拠だが、確かに兄の青は綺麗だと思う。

いつも曇りひとつない輝きを放ち、真っ直ぐに前を見るあの目は。


「んー……彼の目も綺麗だと思うが、私は奥村の目のほうが好きだな」


ゴボッ!!

食堂に入るはずだったコーヒーは気管へと侵攻し、防御反応によりむせる。


「ゴホッ、ゴホッゴホッ!!」

「おい! 大丈夫か!!」


大丈夫と手で制しながら思う。

天然の誑しほど心臓に悪いものはない。

今時「目が好き」なんてドン引きされるだけなのに妙にときめいてしまうのは何故か。

落ち着いたところで理由を聞いてみた。


「……そうだなあ。さっきは“青”と言ったが、それは少し語弊があるな。兄と比べると、奥村のはどちらかというと青緑で真ものの青じゃないだろう?」

「まあそうですね」

「その緑が混じっているのがいいんだ。一般的に緑は植物の色であり、そこから転じて“生命力”というイメージがある。また“おだやか”、“やすらぎ”というものもある」

「は、はあ……」

「青だけだと知的だが、冷淡な印象を与えてしまう。ところがその緑が加わる事によって冷たさが緩和され、優しいさがプラスされる。その具合が奥村に似合っていて好きなんだ」


彼女はいたって真剣に語ってくれるのだが、その……ものすごく恥ずかしい。

顔から火が出るなんていう言葉は今まさにこの状態の事を言うんだろう。


「――レイリー散乱という現象を知っているか」

「たしか光の波長よりも小さいサイズの粒子による光の散乱で空や海が青く見えることですよね?」

「さすが奥村。自然界に存在する青のほとんどはレイリー散乱によるものであり、それ自体が青というものは極めて少ない」


ひと呼吸おいてから彼女はさらに続ける。


「探せど追えど見つからないつかめない青は非現実的で、本当はそんなもの存在しないんじゃないかと思う。だから自然界に溢れる緑が混ざることで奥村雪男という存在が確かにそこに在ると安心させてくれるんだ」


何か忍ぶように彼女は目を閉じた。

先程の熱は冷め、何か喋ろうにも何故か言葉が出てこなかった。


「意味はわからないし、つまらない話をしてしまったな。すまない、退屈だっただろう?」


沈黙を怒りと捉えたのか、頭を下げる綴さん。


「……失礼、コーヒー淹れてくる」


と、見え透いた言い訳で逃げようと席を立つ。


「……僕は」


情けないぐらい小さくて弱々しい声だったが、彼女を引き止めるぐらいの効力はあったようだ。


「僕ははっきり言ってこの目が嫌いです。サタンの血を受け継いだ証でもある。同じ落胤でも兄さんのような輝かしい純粋な青でもない。まして悪魔が見えるなんて」


幼い頃はそのことでいじめられたこともある。


「どれほど悩んだか、恨んだか、憎んだか、苦しんだか。もう数え切れませんし、それはこれからもずっと、死ぬまで付きまとうでしょう。そして嫌いであることも変わることはありません」


先程の彼女に倣って、ひと呼吸おいてから次を紡ぐ。


「それでもそう思うたびに今のあなたの言葉を思い出します。あなたが褒めてくれた――」


――好きだと言ってくれたことを。


嫌いなのは変わらないけど、少しだけ悪くないかもな。





綴さんが給湯室から出てくる。

ゆらゆらと湯気が立つカップを渡され、少しだけ冷ましながら飲む。

インスタントと言えど、淹れたては美味しい。


「心なしかあなたが淹れると一層美味しく感じますね」

「まあな。インスタントといえど、ちょっと一手間加えるだけでも随分と変わるぞ」


初めて見る彼女の穏やかな笑みに自分も自然と顔が緩む。


「綴さん」

「ん? なんだ?」


コーヒーを見ていたガラス玉のような銀色が僕を捉える。


「僕もあなたの目好きですよ」


彼女が耳まで真っ赤にするまであと4秒。






-----あとがき(まえがき)-----
笹雪様17000hitありがとうございます!!
リクエストから二週間以上も経ってお待たせしてしまいすみませんでした。
しかし頂いたメッセージからひしひしと伝わる笹雪様の思いに応えるべく、ありったけの愛をぶち込みま

したが、いかがだったでしょうか。
少しでもお気に召していただけたなら……。

素敵なリクエスト本当にありがとうございました!!

よろしければ、この先も何卒お願いします。

当然ですが、お持ち帰り、返品、再提出は笹雪様のみとさせていただきます。


P.S.ネタ帳の方にくだらない後日談含む解説みたいなのがあるので、よろしかったらそちらのほうもどう

ぞ。




※作中のレイリー散乱、青うんぬんは、柴/村/仁さんの『ハ/イ/ド/ラ/の/告/白』





特技:自己嫌悪

以上を踏まえた上で大丈夫な方のみどうぞ。



-----反省文(本編)-----
もしかしたら365でご存知かもしれませんが、とにかく申し訳ございませんでした。

せっかく綴×眼鏡×スーツ=美人秘書という素晴らしく美味しいネタを頂いたのに、全く違うものになり

ました。
材料はこの上なく素晴らしいのに調理を間違うだけでこんなにもひどくなるんですね……。
というかいつの間にかメインディッシュが変わってますね。
最初は全面的に眼鏡を推した話だったのですが、気が付けば目の話に仮面ライダーも真っ青なチェエエエ

ンジしてました。
眼鏡要素が……。

一話の作品に入れたかったものを全部無理やり押し込めたのが敗因です。
しかも一つ一つのネタを中途半端にしか掘り下げてないので、余計にガタガタ。
作風もギャグだったり、甘かったり(?)、かとおもえば急にシリアスだったりと一貫性がない。
おかげで全体的にまとまりのない話になりました。
特に最後の方の目に関するところがもう目も当てられません……。
自分が考えて書いていたのである程度理解できますが、思考が共有できないので自分以外の人が読んだらもう古文書ものですよ、これ、解読不能です。
幾重にも廊下を駆け抜けた雑巾にで牛乳を吹いて数日放置したものにうっかりゲロ吐いちゃったぐらい臭いです。
吐きそう。
さらに言うならどこまでも迷走する登場人物。
もはや名前が一緒なだけの別人。
自分が「ここはこうであってほしいな〜」と己の願望がままに好き勝手してます。

そして無駄に長い。
未だかつてない長さ。
6723文字と言われてもイマイチピンと来なかったので、『Spica』本編と対比してみました。
当作品=『Spica』act.1 追悼の三分の二まで。
どんだけだよ……。
もう飽きる以前の問題だよ……。
長すぎて「ここのこれどうなったの?」みたいなことがありそう……というか絶対ある。

本当に自分だけが楽しい話でした。

悔いも後悔もあります。


こんな汚いところまでお付き合いありがとうございました。



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