弔い 再度ATTENTIONS! ・表紙のATTENTION!にも書いてありますが、再度ここで注意を ・この話含め、この物語はオリジナルストーリーです ・あとここから先の話はものすごく臭いです ・いわば簡単に予測がついてしまうさらにつまらない話になるということです ・マジで臭いです ・というか見直すことすら諦めているので色々とおかしいところがあると思いますが、目をつぶっていただけるとありがたいです 以上、万全の体制でおk! と胸を張って言える方のみお進みください 怒涛の全国大会は立海の三連覇という結末で幕を閉じた 三連覇という偉業を成し遂げた立海テニス部はこの上なく歓喜に満ち溢れていた そのはずだった その日、学校のテニスコートにレギュラーメンバーは誰ひとりいなかった ―――― ―― 「あ、みなさん……来てくれたんですね」 「ああ」 昨日の今日だというのに全員の表情には影がある もちろん識の顔にも 全員のゴツゴツとした手には不釣合いな数珠が握られている そう、今日全員が集まったのはある人を弔うため 七森家次男、七森優雨 レギュラーメンバーは識に案内され、人気のない建物の裏に出た 最初に声を上げたのは切原だった 「おい四条これは一体どういう――」 「やめろ、赤也」 今にも掴みかからんとする切原を柳が制した 「説明、してくれるね?」 優しいながらも強制力のある声で幸村が言った 識は無言で頷いた 「以前、有梨はいいところのお嬢様という話はしましたよね?」 「ああ、氷帝との練習試合のときだったな」 「はい。ですが、もともと有梨は養子だったんです」 一瞬、空気がざわめいた 「有梨だけではありません。昨日亡くなった弟の優雨くんもそうです。優雨くんが生まれてすぐ、二人は施設に預けられられました」 「まさか親に捨てられたのかよぃ!?」 「いえ、それは違います。有梨の両親は事故死です。でもまあ、子供を残して逝ったことに関しては確かに捨てられたと言っても過言ではないでしょうね、捉え方のもんでしょうけど」 丸井の数珠を握る手に力が入る 「優雨くんは有梨さんの唯一血の繋がった大切な家族だったわけですね」 と、柳生 「はい。そしてあるとき、そんな話を聞きつけたのが遠縁に当たる今の苗字である七森さんだったわけです。もともと子供がひとりいましたが、話を聞いて胸を痛めた七森さんが引き取って今に至ります」 「しかし、なんでまた急に亡くなったんだ……?」 と、真田 「もともと優雨くんは生まれつきある病を患っていました。現代医学ではどうしようもない程の。でも本当なら来年、一緒に学校へ通えるほど回復していたんです。ですが、例の昨日容態が急変して……」 「亡くなられたってわけか」 と、ジャッカル 「しかしなんでまた俺らが呼ばれたんぜよ?」 仁王が最もな質問をした いくらテニス部が有梨と親しいとは言え、そこまでの仲ではなかった 「それは――」 「それはオレから説明する」 突然現れた声に全員が振り返った そこにはやっとの思いで立っているような有梨がいた 「ちょっと、あんたもっと寝てなさいよ! まだ体フラフラじゃない!」 「いいんだよ。ちょっと寝たから楽になった」 「そんなこといってもまだ隈が……」 駆け寄った識の手を振りほどいて有梨は言った 「以前、オレはあいつにみなさんの話をしたんです」 「俺らの?」 「毎日が白い空間に閉じ込められたあいつにはオレの話しか楽しみがなかったんですよ。それで週に二日、病院に通って話をしていました。立海に入って、テニス部と関わるようになって、それからいろんな話をしました」 有梨の表情がどんどん曇っていく 「するとあるとき、あいつが行ったんです。『僕もそのテニス部のみなさんに会ってみたいな』って。とても嬉しそうな表情で言うんです。そして『学校行けるようになったらテニス部に入るんだ』って。きっとオレがみなさんの話ばっかりしていたせいでしょうね。だから ――せめて最期だけでもあいつの願いを叶えてやってください」 そう言って有梨は頭を下げた 僅かに有梨の肩が震えていた 「わたしからもお願いします。ちょっとでいいんです。優雨くんに会ってあげてください」 続いて識も頭を下げた 「何言ってんだよ」 一瞬、沈黙が場を支配するも、すぐに切原がそういった 「俺の大切な未来の後輩にかっこわるいことできねえだろ」 あの試合の時のように切原の目は真剣だった 「お、お前……」 「なに水臭いこといってんだよぃ。お前と俺たちの仲じゃねえか!」 「丸井先輩……」 「そんなこと頼まれなくてもいくつもりだったからね」 「幸村部長……」 ひとりひとりの顔を見れば全員が頷いた 「みなさん、ありがとうございます」 感謝の気持ちを込めて有梨はもう一度頭を下げた そして式はしめやかに行われた |