Nowhere...?跡地 | ナノ






昼食


最近お昼はよく屋上へ行ってテニス部のメンバーと食べるようになった

はじめはファンクラブの人に目をつけられたりしたが、そこは識の極上の笑で今はなんともなくなった

識にしてみればみんな可愛いわけだし、こそこそしてないで堂々と告白すればいいのにと思っているらしい

そして今日も当たり前のように有梨を筆頭による切原のおかず攻防戦がはじまった


「コロッケいただきー」

「だから俺のおかずをとるな!」

「赤也ー悪ィがこの卵焼きいただくぜ」

「丸井先輩もやめてくださいっス!」

「だって赤也の弁当うめえもん」

「自分のがあるじゃないっスか!」


結局ジャッカルからおかずをたかることは誰がどうみてもわかることだった


「そういえば四条ってお弁当自分で作ってるんだよね?」


幸村が問うた


「ええまあ。基本家事は自分でやってます」

「すごいのぅ」

「だって一人暮らしですから」


その言葉にぴたりと空気が止まった

もちろんおかず争奪戦していた切原も丸井も

意外な事実発覚


「な、なんですか急に静かになって」

「四条って一人暮らしだったのか?」


固まっているみんなを代表してジャッカルが聞く


「私だけじゃないですよ。有梨だってそうですし。ねえ?」

「ふぉうはよ」


そうだよと有梨はご飯を口に詰め込みながら言った

その次の瞬間マジで!? と全員が声を揃えた


「実際実家から通うとざっと3時間ぐらいかかるので、近くにマンション借りてるんです」

「そうそう」

「マンションとか豪華だな……」

「まあ俺の父さんの経営する会社の一部だからな」

「あ、こう見えて有梨のおうちって財閥なんですよ」

「マジかよ!」


またしても声が揃った

まさかの有梨は俗にいうお嬢様だったのだ


「お前がお嬢様とかマジありえねー」

「うるせーわかめ、さっさと海の藻屑になれ」

「もともと私のお父さんと有梨のお父さんが知り合いということで、無料で借りてます。あ、言っておきますが、私の家は普通ですからね」


識から見えないようにして柳はノートの書き残す


「あと同じマンションに住んでますけど部屋は違いますから」

「まあ隣だけど」

「一人暮らしとかすっげえな!」

「学生の女性が一人暮らしとは大丈夫なんですか」


さすが紳士柳生の言葉である


「セキュリティは万全ですから大丈夫です」

「いいなあ、俺も一人暮らししてみてえ」

「わかめ、言っておくけど一人暮らしも楽じゃないぞ?」

「掃除洗濯食事は自分でしなきゃいけないし、朝だって誰も起こしてくれないわよ」


そう言われぐっと声を漏らす

いいことばかりでもないのが一人暮らしである







「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -