Nowhere...?跡地 | ナノ






勉強会


時は放課後

テスト一週間前ということもあり部活は休みである

有梨と識、そして赤也は図書室にいた


「ここなら邪魔も入らないし大丈夫でしょ」


テスト準備期間中ということもあり、図書室で自習する生徒は少なくない

三人は一番奥の窓際を占拠した


「わたしは数学するし、最初わからなかったら教科書を見る。それでもわからなかったらわたしにきいて」

「了解」


珍しくやる気の赤也はさっそく課題として出された英語のワークをやる

有梨もあまりやる気ではないが、数学のワークを広げた


「識〜ここわかんない」

「そこは@の式とBの式の連立方程式」

「四条〜ここ教科書読んでもわからねえ」

「そっちは長文の確か……13行目を見ればわかる」


何度も教科書とワークを行ったり来たり

識の方も発展問題となると右手で頭を書きながら問題を解く

有梨に関しては始め30分はまともにやっていたが、やがて面倒くさくなったのか、気が付けば夢の世界に行っていた



やがて時間は過ぎていき、

あっという間に下校時間になった


「ふー勉強したぜ」

「んにゃ? もう時間か」

「お前寝てたのかよ!」

「ばかやろう睡眠学習だ!」

「どこが睡眠学習だ!」

「はいはい喧嘩は外でやって」


ケンカする二人をよそに識は帰り支度をする


「なんだ、お前らも勉強していたのか」

「ふ、ふふふふ、副部長!?」


なんとここで現れたのは真田だった

あまりにも突然の登場に動揺を隠しきれない赤也

驚きのあまり椅子ごと転んでしまった


「わかめだっせー」

「真田さんも勉強していたんですか」

「俺たちもいるよー」


と、真田の後ろから幸村と柳が顔を出した


「珍しいな赤也が図書室で勉強とは。明日は雪だろうか」

「お、俺だって勉強するときはするっスよ!」

「おおかた四条に教えてもらってたんだろう?」

「ぎくっ!」

「仲がいいんだな」

「まあ悪くはないと思いますよ」


幸村と柳、切原、識が話している一方有梨はまじまじと真田の顔を見ていた


「……七森、俺の顔に何かついてるのか?」

「いや、いつみても中学生には見えないなあと思いまして」


さりげない有梨の言葉に真田はむ、むうと微妙な声を漏らした

確かに中学生には見えにくい


「幸村、俺はそこまで老けて見えるのだろうか?」

「ん〜手塚といい勝負なんじゃない?」


幸村もさりげなく酷い

図書室を出て帰路につく6人


「そうだ今日は頑張ったご褒美にジュースでも奢ってあげるよ」

「マジッすか!?」


よっしゃあ! とガッツポーズをとる


「それって俺も入ってます?」

「ん〜まあいいよ」


切原に続いて有梨もガッツポーズをとった

識もはじめこそは遠慮していたが、有梨にもらえるものはもらっとけと言われお言葉に甘えることになった


「ぷはあ」

「どこの風呂上りのおっさんだよ」

「うるせーっわかめ」

「相変わらずだよねえ」

「見てる側としてはもう飽きましたけどね」


苦笑する幸村


「俺たちこっちなんで」


駅へ向かう幸村たちとバス停へ向かう有梨たち


「あ、そう?」

「ジュースありがとうございました」

「また頭の悪い赤也に教えてやってくれ。さすがの俺も手に負えん」

「ちょ、柳さんひどくないっスか!?」

「まあ気が向いたらいいですよ」

「四条お前もひでえ!」

「それじゃあ失礼します」


また明日と軽く手を振って別れた







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