Nowhere...?跡地 | ナノ






悪魔


6月上旬、切原赤也は困った

とにかく困っていた

この上なく困っていた

どれくらい困っていたかというと、プールへ遊びに行って替えのパンツを忘れた時ぐらいこまっていた

う〜んと悩む彼の目の前には英語の小テスト

事の始まりは午前の英語の授業まで遡る


「この前の小テスト返すぞー」


英語担当の教師が五十音順に名前を呼びテストを返す

切原ーと呼ばれテストを受け取る際、


「次は頑張れよ」


と言われた

右上には大きく7点と書かれていた

50点満点中である

がっくりしながら席へ戻る

すると後ろから何かでつつかれた


「ねえねえ何点だった?」

「教えるわけねえだろうが」

「いいじゃんよー」


一瞬の隙を見つけて有梨は赤也からテストを奪い取った


「うわ7点とか」


笑いをこらえる有梨にイラっとくる赤也


「そういうお前はなんてんだったんだよ」

「じゃーん」


と突きつけられた有梨のテストには

9点


「うわ負けたー!!」


まさかこいつに負けるとは

テニスまでならずテストまでも


「ドヤァ」

「五十歩百歩じゃない」

「でも勝ったことには変わらないし」


まるでドングリの背比べねと識も席についた


「そういう識はどうだったんだよー」

「わたし? 45点だったけど?」

「……ごめん、聞いた俺がバカだった」

「だいたい2桁いってないとかどんだけよ」


サボり癖のある有梨と英語が苦手な赤也とは違い高得点の識

唯一まともに授業を受けている識としては当たり前の点数だった


「直前にプリントもらったじゃない」

「ジュースこぼして捨てた」

「おい!」

「おーい静かにしろ」


テストを配り終えた教師が言う


「今回のテストは全体的にできが悪かった。で、来週ある定期試験で赤点取ったやつは強制補習だから覚悟しておけよ。もちろん英語だけじゃないぞ、全教科だ」


「マジかよ!?」


補習という言葉に声が揃う有梨と切原

当然と言えば当然である

ちなみに赤点は35点以下


ということがあった

もし赤点をとって幸村たちに知られたとなると補習だけではすまないだろう

考えただけでもぞっとする


「あー補習とかマジありえねえわー」


有梨が言った


「わかめー、赤点取らない自信ある?」

「あるわけねーだろ」

「ですよねー」


有梨は頭の後ろで手を組みながら椅子にもたれかかった


「こうなったら最終手段しかないな」

「最終手段?」

「おい四条」

「ん? 何?」


先ほどの有梨同様机に突っ伏していた識が起きる

すると、突然地面に座ったと思うと


「俺に英語教えてください!」


と土下座した


「ちょ、わかめくん!?」

「わかめェ……」

「お願いだこのとおり! お礼はなんでもするから」


周りの視線総無視でお願いする


「そんなこと言われてもなあ」

「頼む!」

「ついでに俺にも教えてよ」

「えー」


結局切原の熱意とお礼に負けこの取引は成立

お礼は駅前の和菓子屋の2000円セットである







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