Nowhere...?跡地 | ナノ






合宿B


「暇だなー」


適当に施設内をぶらぶらする識

一通り周り終え外に出る

都会とは違うきれいな空気に深呼吸をする


「いやあいい天気だなあ」


するとどこからかパコン、パコンと音が聞こえてきた

なんだろうと思って音のする方へ向かうと


「ちくしょう!」


一人壁打ちをする切原がいた


「誰かと思えばわかめくんじゃないか」

「誰がわかめだ!」


とほぼ条件反射のように否定する

しかしそれが有梨ではなく識だと判断すると、あ、わりぃと謝った


「一人で練習?」

「ま、まあな」

「ふうん。あ、そうだちょっと待ってて」


そう言って識は一度施設内に戻った

5分もしないうちに戻ってくるとその手にはドリンクが


「はいどーぞ」

「あ、さ、サンキュ」


よっぽど喉が渇いていたのか一気に飲み干した


「偉いね自主練なんて」

「あいつをぶっ潰すにはこれくらいやんねえとな」

「そっか」


二人の間に微妙な空気が流れる


「あのさ、あの子のことそんなに悪く思わないでね」

「え?」

「ちょっと前にいろいろあってさ。いまみたいに人をからかうなんてなかったから」

「そうなのか?」

「うん。本人もなんだかんだ君のことは気に入ってるみたいだから」


あれだけ喧嘩しておいてそうなのかと疑問に思う切原ではあったが、どこか遠くを見ている#香織#を見ると何もいえなくなった


「何かしらけた空気になってごめん。練習頑張ってね」


足早に立ち去ろうとする識に切原は思わず引き止めた


「何?」

「あ、あいつに何があったかは知らねえけど、俺はあいつのことそんなにき、嫌いじゃねえから」

「そっか」


それじゃあねと手を上げながら識はまた施設内に戻っていった







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テーマ「人外ファンタジー」
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