Nowhere...?跡地 | ナノ






合宿A


午前中はほとんど走り込み

スコアは先ほど言ったとおり識が担当することで有梨は一人ずっと壁打ちをしていた


「べ、別にさみしいとか思ってねえから!」

「はいはい、キャラ崩壊してるよ」

「めんごめんご、ちょっと言ってみたかったんだ」


午後からは待ちに待った(?)トーナメントである

トーナメント表を識が書いていると


「ちょ、ちょっ、なんで俺の名前が出てんの!?」

「あ、ホントだ」

「いやホントだじゃなくて」

「俺が入れたんだ」


なんと仕込んだのは幸村だった


「え、ちょ、なんで俺まで」

「さっき一人で壁打ちしてたから可哀想だなって思っていれたけど何か文句ある?」


有無を言わせないオーラを発生させる幸村に有梨はなすすべもなく黙ってしまった


「ちなみに一回戦の相手は俺だから」

「なん……ですと?」

「さあ張り切っていこうか!」


ずるずると幸村に引きずられながらコートへ向かう

のちにイップスさせられ生きる屍となることになろうとは

この時ばかりは赤也も彼女に同情したとか







「あー生まれて初めて天の川見たわー」

「それはお疲れ様」


長かった練習も終わり、ようやく自由時間

ベッドに倒れ込む有梨はほぼ満身創痍に近い状態だ

それでもせっかくの自由時間

持ってきたバッグから何か取り出す


「何持ってきたの?」

「ふふふっ、聞いて驚くな」

「最近キャラ崩壊が激しいわね」


某猫型ロボットが道具を出す効果音を真似しながら出てきたのは


「PS2ぅぅぅぅぅぅぅ!」

「よくそんなもの持ってきたわね」

「まだFF9クリアしてないんだよ」


さっそくもともとあったテレビに接続し始める

すると


「オースッ! 遊びに来たぜ!」

「急に悪いな」


と、勢い良く扉が開いたと思ったら丸井とジャッカルが遊びに来た


「うーっす、ようこそー」

「ってお前なんてもん持ってきてんだよ!?」

「いいじゃないっすか。人が何持ってこようと」

「……俺、PS2持ってくる奴初めて見た」

「俺もだぜぃ」


そりゃあ有梨が合宿史上初めてだろうなと識は思った


「それじゃあ、わたしは出るね」

「なんでだよぃ。別にいいじゃねえか」

「いや、邪魔になるといけないので」


すれ違う際、丸井とジャッカルに小さくこういった


「ゲーム中の有梨にちょっかいかけると恐ろしいことになるので気をつけてくださいね」


そう言って識は本を持ったまま出て行った


「で、なんのゲーム持ってきたんだ?」

「いろいろありますよー。FF、ドラクエ、戦国無双、バイオ、零などっすね」

「おいおいバイオって18禁じゃあ……」

「細かいこと気にしてたら疲れますよジャッコゥ先輩」


良い子のみんなは年齢制限はちゃんと守りましょう


「じゃあ俺たちは見てるぜ」


バフっとベッドに座る丸井とジャッカル

有梨はそんな観客を無視して普通に家と同じようにゲームの電源をつけた







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