Nowhere...?跡地 | ナノ






おかず争奪戦


翌日二人は再びテニス部に呼び出された

放課後ではなく昼休みに屋上に集まれということだ


「今日はなんの用かなー」

「打ち合わせじゃない?」

「ふうん」


興味を示さない有梨に本当にこの仕事引き受けてよかったのかなあと思う識

屋上へと続く扉を開けば視界一面に青が飛び込んできた

風も暖かく実にいい天気だ

独り占めにも近い形で屋上をテニス部が占拠していた


「こっちだぜぃ!」


ブン太が手を振って呼び寄せる


「それで今日は一体なんの用っすか?」

「いや特に何もないよ。ただみんなで一緒にご飯食べたかっただけだよ?」

「あ、そうですか」


みんなで輪になってそれぞれのお弁当を開け始める


「あれ? あの帽子の人は顧問っすか?」

「こ、顧問だと!?」


有梨が堂々と指さすのは黒の帽子に老け顔の男

するとレギュラー陣全員が声を上げて笑った

そんな彼らについて行けず頭にハテナマークを浮かべる二人


「違うよ、彼も同じテニス部員だよ」

「え、マジッすか!?」

「まああんなナリじゃあ間違われてもしかたないぜよ」

「ちなみに彼は副部長だ」

「あ、そうだったんですか」

「さすが真田だぜぃ」


笑い声が青空に響く


「その唐揚げ美味しそうだね」

「食べます?」

「それじゃあお言葉に甘えていただきます」


識のお弁当から唐揚げを一つとる幸村


「美味しいね! お母さんが作ったの?」

「いえ自分で作りました」

「へえ料理できるんだ」

「ええまあ」

「ちょ、七森! それ俺のハンバーグ!」

「残念だったな、こういうのは獲ったもの勝ちだ」


そう言って赤也のお弁当から華麗に獲物をかっさらった

ギャーギャーとお弁当の取り合いになる二人


「俺にもわけてくれぃ」

「どうぞー」

「だから俺のおかずを取っていくな!」


丸井まで加わるともはや奪われるだけの切原

仕方がないと赤也はジャッカルの数少ないおかずを頂戴した


「なんだか賑やかじゃのう」

「仁王くん、どさくさにまぎれて私のおかずをとらないでください!」

「プリッ」

「柳さんでしたっけ、なんですかその視線は。あげませんからね」

「精市にはやったのに俺にはくれないというのか」

「……卵焼きならいいですよ」


柳の視線に負け、彼のお弁当の蓋に卵焼きを渡した

なんやかんやみんな楽しそうである(切原は除く)







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