Nowhere...?跡地 | ナノ






一生のお願い


やがて季節は過ぎ、ゴールデンウィークも近づいてきたある日である


「おい鳥の巣頭起きろ!」


寝ている有梨の机をガンッと蹴る

休み時間、珍しく切原のほうから有梨に話しかけてきた


「んあ? なんだわかめくん」


あまり喋りたくない切原顎で示した

その先には幸村と仁王が教室の扉のところで手を振っていた

周りからは黄色い声が飛んでいる


「うわ行きたくない」


思わず識が本音をこぼした


「部長がお前らをお呼びだ」

「なんで俺ら?」

「知らねえよ。いいからさっさといけ」


眠たい目を擦りながら幸村たちのもとへ向かう


「わたしたちに何か用ですか?」

「そうなんだけど、ちょっと周りがうるさいから放課後部室のほうにきてくれないかな?」

「いいですよー」

「ほいじゃあ放課後またの」


そう言って幸村と仁王は帰っていった


「一体なんだろうね」

「さあ? とにかく放課後行けば分かることでしょ」


そしてその日の放課後、二人は言われたとおりテニス部の部室にいた

中に通されるや否やパイプ椅子に座らされた

5分もしないうちに呼び出した張本人である幸村が現れた


「で、わたしたちになんの用ですか?」

「実はちょっと相談があってね」

「一体なんですか」

「実は今度のゴールデンウィークに合宿があるんだ」

「合宿?」

「そう。それで君たちには悪いんだけど臨時でマネージャーとして出て欲しいんだ」

「マネージャーですか?」

「ええー面倒くさそー」

「マネージャーの件なら以前もお断りしたはずですが……」


すると幸村が手を合わせて


「お願い人手不足で困ってるんだ!」


一生のお願いのようにいう幸村


「なんとか頼むぜよ」

「お願いできませんかね?」

「3日間だけでいいんだ」


と上から仁王、柳生、柳の順で頼まれる

ほかの部員からも頼むという視線が送られる


「どうする?」

「まあここまでお願いされちゃあ断るにも断れないよね」

「じゃあやってくれる?」

「有梨がいいなら」

「俺はわかめを馬鹿にできるなら」


いつもならわかめじゃねえと突っ込む切原だったが、今はジャッカルと丸井に抑えられている


「それじゃあやってくれるってことでいいね?」

「はい」


やったーと幸村が子供のように飛び跳ね、仁王や丸井とハイタッチをする


「それじゃあ詳しいことはまた追って知らせるよ」

「ふぉーい」

「わかりました」


こうして二人は3日間だけ臨時でテニス部のマネージャーをすることになった







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