落書き日和 ざあざあと朝から一向に止む気配を見せない雨 そんな中でも授業は着々と進んでいく 真面目にノートをとる識に対して有梨はというと机に突っ伏していた ちなみにその前の切原も半分夢の国に行っていた 先生が丁寧にここ今度の試験に出るぞと忠告するがまるで無視だ いい加減呆れた識がシャーペンでつつく 「んあ?」 「先生こっち見てるよ」 「んなこたあ俺は知らない」 識が起こそうとするも全くやる気を見せない有梨にもう放っておくことにした やがて授業は終わった 「あーよく寝た」 「数学は寝る時間じゃないよ」 「睡眠学習睡眠学習」 何が睡眠学習だとつぶやく#香織# いつの間にか赤也も突っ伏していた 「ターゲット確認」 さっきまで眠たそうだった有梨の目が輝く 「識、名前ペン借して」 「いいけど何に使うの?」 「いいからいいから」 識から名前ペンを受け取ると赤也の前に回り込み、キャップを抜いた そして起こさないようにそっと彼の顔に落書きを施す 「ちょ、おま……」 必死に笑いをこらえる識 「大丈夫大丈夫。寝てるからばれないばれない」 額には肉の文字 頬には大きな花丸が二つ 見事な落書きだ ちなみに彼がこの落書きに気づくのは昼休みになってからである |