「はい。それじゃあミーティングを始めるよ」
パンパンと幸村の手を叩く音にざわついていた部室が静かになる
「今日のミーティング内容は――」
「はい幸村さん質問があります」
「何?」
「たかがテニス部のミーティングに何故関係のない我々がいるんでしょうか」
レギュラーメンバーの他に何故かその場に識と有美がいた
どこか不機嫌そうな識に半分夢の世界に旅立っている有美
識の機嫌が悪いのは帰ろうとしていきなり彼らに拉致されたのが原因である
「意見は一つでも多い方がいいからね」
「それなら部員全員にアンケートしたらいいじゃないですか」
「君たちが一番適任だと思ったからだよ」
「ちょっとした人助けだと思って頼むよ」と申し訳なさそうに手を合わせれば、なんだかんだ人の頼みを断りきれない識は渋々頷いた
「幸村、早うせんと赤也のやつ帰ってきてしまうぜよ」
「そうだね。さっそくだけど、今年の赤也の誕生日サプライズは何がいいと思う?」
「はいはーい。オレはパイ投げを希望します」
真っ先に意見を上げたの寝ていたはずの有美だった
有美の早変わりに驚いたのは識だけで他は何故か微動だにしなかった
「王道すぎで却下。というか、去年やったんだよね」
「あ、やったんスか」
去年の出来事を思い出しながら丸井が言った
「あの後、教師にバレてこっぴどく叱られたもんなあ」
「主役である赤也より丸井の方がクリームまみれだったな」
「あ、写真あるぜよ」
どれどれと二人が覗き込む
そこにはノリノリの幸村が切原の顔面に直接押し付けていたり、全身真っ白の丸井がピースしていたりとやりたい放題の写真が撮られていた
「じゃあちょっと趣向を変えて生コンクリートとかどうっすかね?」
「あ、それいいかも」
有美のトンデモ発言にぽんと幸村は手を鳴らすが、ジャッカルと識が全力で止めた
いくら何でもありの世界だからといって生クリームを生コンクリートに変えれば窒息死は免れまい
「無難にケーキとプレゼント用意すればそれで十分でしょう」
完全に考えることを放棄した識が投げやりに言う
シーンと水を打ったように静まり返る室内
「え、なんですか。何で皆さんして黙るんですか」
「はい、ちょっと集まって」
幸村が部屋の隅にレギュラー陣だけ召集をかける
ひそひそと何か言い合っているが、有美と識は全く聞こえない
このあと識(ケーキ作成組)と有美(プレゼント組)に分かれて行動する予定です
主役である赤也は残念ながら出てきません←おい
「ハッピーバースディ!」で締めようかと考えてました
俗に言うあとは皆様のご想像にお任せしますってやつです
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