――ゆっくりと静かに聞こえてくる怪物の足音は止まない
「頭痛い」
「最近ホント増えたなー」
「朝から気になってたんだけどもしかして調子悪い?」
「まあ、まずまず良くないって感じかな」
「おや? 誰かと思えば四条さんじゃありませんか?」
「や、柳生さん?」
「それじゃあ四条さん。早退ね」
「先生、一つきいてもいいですか?」
「うん? 何?」
「今日の天気はどうですか?」
「晴れよ。雲一つない青空が広がってるわ」
「雲一つない青空ねえ……」
――不敵に笑ったとき映った空は清々しいほどの灰色だった
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