最近のルネット様は目に見えて多忙でいらっしゃいます

というのもルネット様のご友人でいらっしゃるブレイク様が仕事をルネット様に丸投げしてくるからです

今日も彼の尻拭いのように机に張り付いたまま彼此六時間経ちました

微力ながらそのお手伝いをしてるわたしですが、流石にいい加減休憩を取られたほうが……

ですが、わたしが口を出すのも差し出がましいので……

わたしも彼此二時間ほど「休憩を取られては如何ですか?」と言いそびれています


「カレン、どうかしたか?」

「は、はひぃ!」


なんて仕事とは関係ないことを考えていたばかりに無能丸出しの声が出ました


「なななな、なんでひょう!?」


必死に取り繕うと思っても口が回らず、またも無能が露見してしまいました

そんなわたしを見かねてか、ルネット様「休憩にしよう」とわたしの考えを見透かしたようにおっしゃいました


「あ、わたし、それじゃあお茶の用意しますね!」

「ああ、頼む」


部屋に常備されているティーセットを取り出し、お茶の準備をします

お茶の淹れ方については幼い頃より厳しく躾けられてきました

それなりに人に出せるものだと思ってます

沸かしたお湯を茶葉の上に注げば、芳しい香りが広がります


「いい匂いだな。これは……ダージリンか」

「はい。先日、セカンドフラッシュのが手に入りまして」


蒸らしている間に今度はケーキの準備を

ルネット様はそれほど甘いものは好まないので甘さを控えたチーズケーキを用意

こぽこぽとポットから溢れる琥珀色の滝


「どうぞ」

「ありがとう」


淹れたての紅茶をまず香りを楽しむルネット様


「やはり君が淹れてくれる紅茶は最高だな。疲れた体によく沁みる」

「勿体無きお言葉です」


彼は実に周りから信用、信頼されていますが、よく眉間に皺を寄せていることからたまに敬遠されるフシがあります

でもこうしてわたしの淹れたお茶を飲んでらっしゃるときの表情は実に優しく、それにわたしが一役買っていると思うと嬉しく、どこか誇らしく思います


「さあ、君も休みたまえ」

「あ、それじゃあ失礼します」


うん、我ながら美味く淹れられた


で、またしてもここで飽きた←



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