数年後(サタンぶっ倒して雑魚の祓魔任務)設定
綴「勝呂中一級、今時間あるか?」
勝呂「はい、ありますけど。なんですか?」
綴「先日誕生日だったんだろう? 奏や杜中二級から聞いた。誕生日パーティに出れなくてすまなかったな」
勝呂「い、いえ。先生が気にすることちゃいます。それにこの年になってまであないに祝われるのはちょっと……」
綴「いいじゃないか、賑やかなほうが。そういういつまでもはしゃげる仲間は人生の宝になる」
勝呂「……ずっと思っとんたんですけど、先生ってほんまに俺らと一緒ですか」
綴「まあ確かに小中学生に間違えられることはある……」
勝呂「あ、ああ〜それはなんて言いますか、その、心中お察ししますえ。……って、せやなくて、言動が遥か先を行っているっていうんやろか? 同い年とは思えへんぐらい重みがありますちゅーか」
綴「それはあれだ。少なくともお前達より早く前線に出ているからだろう」
勝呂「そんなもんなんやろか?」
綴「それ以外考えられないな」
勝呂「は、はあ……」
綴「それより話が逸れたな。大したものじゃないが、受け取ってくれるとありがたい」
勝呂「そんな。先生からもらえるものならなんでも」
綴「ははっ。志摩中二級みたいなこと言うんだな」
勝呂「あんな奴と一緒にしないでください。――銃弾、ですか?」
綴「ああ。詠唱の刻印のちょっとした小細工を盛り込んだ手製の銀弾だ」
勝呂「先生が作りはったんですか!?」
綴「一応な。もともと不器用だから拙い構成のせいか発砲時の反動が少し強い。だが、威力はプロの折り紙つきだから安心しろ。京都支部では主に仏教系の悪魔が多いと聞いたから真言(マントラ)を中心に入れてみた。一応他の系統にも効くが、本来の威力には劣る」
勝呂「はあ……! で、でもこないもん俺なんかがもろてええんでしょうか?」
綴「何を言う。お前にあげるために作ったのだからお前がもらわなくて誰がもらうんだ」
勝呂「それはそうですけど」
綴「どうするんだ? いるのか? いらないのか?」
勝呂「ももももちろん頂きます! 大切に使わせていただきます!」
綴「いずれ騎士団の審査に出して現場で使ってもらえるように改良するつもりだから、良ければ使い心地などの意見を出してくれると助かる」
勝呂「もちろんです」
綴「それはありがたい。……いっそのこと開発そのものを手伝ってもらえないか、と言うのは身勝手すぎるか」
勝呂「お役にたてるかはわかりませんが、俺としては是非手伝わせてください!」
綴「本当か!? お前もいれば現場での使用も夢じゃないな!」
勝呂「――『も』? 他にも誰か?」
綴「ん? ああ、奥村さ。考えたのは私だが、実際形にする上で奥村が色々手伝ってくれたんだ。ほとんどあいつの作品みたいなものだが、まあ発案者は私だから――って、どうしたそんな仏頂面して」
勝呂「いや、なんでもないですえ」
綴「と、長いこと引きとめて悪かったな。この件については追々連絡する。それじゃあな」
勝呂「先生もわざわざありがとうございました」
(どこまで追いかけても追いつけへんなあ……。せやけど、まだ負けたわけやない!)
どうやら私はちょっとでも綴に雪男の影をちらつかせなければ生きていけないらしい。
勝呂→綴ではありますが、雪男→綴ではないです。
あくまで雪男と綴は仕事仲間として書きました。
なんとなく感覚を取り戻してきたようなそうでないような。
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