識「……」
仁王「……(チラッ」
識「…………」
仁王「…………(チラッチラッ」
識「………………」
仁王「………………(チラッチラッチラッ」
識「っだああああああ!! もうなんですかさっきから!」
仁王「なんでもないナリ」
識「なんでもないならチラチラ視線送るのやめてもらえませんか。というかついてこないでください」
仁王「冷たいやつじゃのう。年に一度のおめでたい日なのに……」
識「知ったこっちゃありません」
仁王「で?」
識「は? 『で?』とは?」
仁王「今言ったじゃろ? 今日俺の誕生日ナリ」
識「はあ……それで?」
仁王「いやいやいや今の流れからして普通プレゼントじゃろ!」
識「それこそ知ったこっちゃないですよ。だいたいなんでわたしがあなたにあげなきゃいけないんですか」
仁王「それはおまんと俺の仲じゃろ?」
識「どんな仲ですか。せいぜい同じ学校に通う三年と二年でしょう?」
仁王「そんな風に思うとったんか!?」
識「普通だと思いますけど?」
仁王「酷いナリ!」
識「まず部活の先輩ですらないし」
仁王「雅治くん泣きそうじゃ……(めそめそ」
識「勝手にどうぞ。それじゃあ、わたし行くところあるので」
仁王「いやじゃ!」
識「あ、ちょっ、腕に絡まないでください!」
仁王「プレゼントもらうまで離れんぞ!!」
識「どこの駄々っ子ですか!! というかマジでやめてください! 周りの視線に殺されるううう!!」
仁王「俺は離れんぞおおおお!!」
識「ああもうわかりました! わかりましたから!! プレゼント上げます! 上げますから離れてください!」
仁王「本当か!(サッと離れる」
識「といっても、これしかありませんが(お弁当袋から何か取り出す」
仁王「なんじゃ?(wktk」
識「本当は丸井さんに頼まれて作ったんですが」
仁王「え?(石化」
識「わたしの命の危機には代えられないので仁王さんにあげます。はい、誕生日おめでとうございます、よかったですねー(棒)。それじゃあこれにて失礼(ササッと逃げていく」
仁王「……(続石化」


in 3-B


仁王「丸井とて許さんナリ(ゴゴゴゴゴ」
丸井「おいおいいきなり物騒だぞ。俺なにかしたか?」
仁王「俺の知らん間に識とお菓子作ってもらえるような関係になりおって」
丸井「はあ? なにいってんのお前?」
仁王「おとなしく白状しんしゃい!! これに見覚えがないとは言わせんぜよ!」
丸井「いや、だからなんだよ。てか、なにそれ?」
仁王「おまんが識に頼んで作ってもらったんじゃろうが!」
丸井「知らねえよそんなこと! 濡れ衣だって!」
仁王「嘘つけ!」
丸井「ホントだってマジでそんなこと知らねえって!! つかここ一週間、あいつと話してねえし!! 見ろ! この清らかな目!」
仁王「目ヤニついてるナリ」
丸井「え、嘘? マジで? あ、本当だ(ゴシゴシ」
仁王「……で、本当に知らないんじゃな?」
丸井「マジで知らねえよ。お前が俺に嘘つくことあっても、俺がお前に嘘つくことはなかっただろうが」
仁王「プリッ」
丸井「つーか逆に羨ましいわ! 俺なんか頼んでも作ってもらったことねえのによ……」
仁王「じゃ、じゃあ……」
丸井「まあ、お前が信じないっつーなら俺が頂いてもいいんだぜ? むしろ俺にくれ――って、お前どこいくんだよ!!」


珍しくデレる識でしたー。



Prev | Top | Next




「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -