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ガチャリ。

鍵の開く音がした。


そこには4人分の机やソファにベッド、その他もろもろ。
和洋折衷な内装と机の上にある教材やらなにやらで学生寮だと予想される。そして、そこが志摩達の部屋だということも。


確か、志摩と勝呂は同室だったような…と勝呂の机を探す。もう罪悪感なんてものはなかった。


勝呂 竜士
かっこいい字だと思った。
教科書の裏に書かれていたフルネームになんとなく胸がむずむずする。
そうか、これが勝呂の机。
自分には小さな文字の羅列にしか見えない難しそうな本が沢山ある、きれいに整頓されているその席に座った。
どきどきする。いつもここに座って勉強してんだろな。勝呂がこの机に触れている、それだけで心拍数は上昇した。


ピアスが2つ置いてあるのを指で転がしながら、ふと1枚の写真に目を止める。
多分、小さい頃の勝呂と、志摩に子猫丸だ。
今とあまり変わらない3人の顔に懐かしいような錯覚を起こすけれど、そんなわけはない。
写真を眺め、心底思う。幼なじみってなんか羨ましい。色んなことを知っていて、色んなことを一緒に経験したんだろうな。楽しいことも、苦しいことも、悲しいことも。きっと3人で乗り越えて来たんだろう。


息を大きく吸い込み、深呼吸をする。過去のことは、過去のことだ。
これからもっと仲良くなれたらいい。


ピアスを転がす手を止め、キョロキョロと部屋を見渡した。ほかに何かないか探すために。

最初に目に入ったのはクローゼット。しかしべつにどんな服が入ってようとあまり興味がなかったので省略、次に目に入ったベッドへと向かった。

ふわ、といつものやさしいにおい。
どこが勝呂のベッドかは一目瞭然ってやつだ。
ちょっとだけ、と布団に潜り込んでみる。あったかくてやわらかい。
まるで抱きしめられてるみたいだ。

すごく安心する。
安心しすぎて、寝ちまいそうなくらい



そう思った数秒後、燐は眠りに落ちた。












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