out of curiosity
チャリン。
金属の落ちる音がした。
目の前には、走る志摩の姿と太陽に反射してキラキラ光る小さな何か。
近づいてみるとそれは、鍵だった。
あれ、これってちょっとヤバいんじゃねえか、問題なんじゃないのか、鍵を落とすなんて。
「おいっ志摩!鍵落としたぞー!!」
大声で追いかけたものの、志摩はすでに別の鍵でどこかへ移動してしまったらしい。
それにしてもなんて不注意だ、俺じゃなかったら悪用されてたかもしれないぞとぶつぶつ言いながら、ちょっとした好奇心が芽生えた。
「これ、どこの鍵だ?」
最低なことなんてのは分かっている。でも、好奇心というのは絶大な力を持っているのだ。無意識のうちに尻尾が出てきて、ブンブンと動き回る。
「バレなきゃいいか!」
本当に大丈夫かとひとりで問うてひとりで納得する。そう、ちょっとだけだし、大丈夫。
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