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16
お題



16.部屋掃除
オーバ



「だからっ、今はダメだっ、て・・・ば!!!」

「いーじゃねえかよ・・・!せっかく此処まで来たんだから入れろよっ、」

扉の隙間に足を挟み込むせいで扉が一向に閉まらない。このままだと確実にコイツは家の中に押し入ってくるだろうし、どちにしろ俺の体力が持たない。
全体重を後ろへかけながら扉の隙間に挟まれた靴を地道に蹴れば何すんだなんて怒鳴られる。近所迷惑だバカ野郎。

「いい加減しつこいっつう・・・!!さっさと帰れっ」

「は、はあっ!?おま、本気で帰らす気かよっ!ぜってえ帰んねぇ!!!」

そういえば更に靴を侵入させて来るオーバに本気で危機感を覚える。マズいな、疲れてきたぞ。
腕がプルプルとし限界が近くなっているせいか、それともさっきので勢いづかせてしまったか。
チラチラと赤いアフロが扉の端から視界に入る。
本当うざったいなコイツ、帰れって言ったらおとなしく帰れよ!


「だっ、バカ、扉壊れるからあんま力いれ・・・っああああああ!!!!」

ミシリ、嫌な音を立てた扉に一拍間が開く。
そして次の瞬間バキリなんて、洒落にもならないような音がしたかと思うと突然あっちの方から引っ張る力が失せた。そうすれば対等だった引っ張る力に偏りが出てしまうはずで。

「おっ、ぅ、わ・・・っ、!」

ガツンと音を立てて後ろへ転がりケツを思いっきりぶつける。
鈍い痛みを感じ、涙目になりながら痛む尻を撫でて一人唸る。い、いた・・・。


「っ、ってぇ・・・」

扉の向こうから同じく聞こえる声に何があったんだよなんて息を吐き出す。
ていうか、さっきの音。絶対やばいと思うんだけど。


「お前なにやったの?」

「あ、・・・いや、」

扉を開いて顔だけ出せば地面に尻と腕をついてケツを抑えるオーバと目が会う。
そして彼の手に握られるのは見覚えのあるもので。


「・・・。」

「・・・えー、と・・・ア、アハハ」

ドアノブ壊しやがった。しかも外側、引っ張る方だ。
いやーわりーな、と対してすまなそうに謝るオーバはそのドアノブをポケットにねじ込むと立ち上がりそのまま何事もなかったかのように玄関に入り込んできた。なんなんだこいつはサイコパスなのか?

「いや言いたいことはたくさんあるんだけどよ、」

「あーこれは俺が修理するから気にすんなよ、そんじゃ邪魔するぜ」

「いや気にすんなって言われても…じゃねえよ、入ってくんなって言ってんだろ!!」

「だーー頭に触んな!!さっきから何をそんなに嫌がってんだよおめーはよ!」

「いや、まあ…強いて言うなら部屋が汚いくらい」

「そんだけ?」

「あとは普通にお前部屋に入れたくねえ」

「邪魔するぜ」

「おい!!!」

「この俺様が部屋掃除手伝ってやるよ、感謝しな」

いやまじお前帰れよ。ドアノブを治してからな。
俺の呟きは右から左へ受け流され、結局仲良く二人で掃除をする羽目になるのだった。

ちなみにドアノブはその場でオーバの手持ちのブーバーに溶接してもらったのでまあよしとする。今後あいつは絶対に部屋に招かないけどな。

END



四天王のオーバ
良き友達




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