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08
お題



08.組み手
ミツル


「ほら、空いてる」

「はっ、い!」

パシパシとミツルくんから次々繰り出される技を手のひらに受け止めていく。
まだ朝も来ていない様な時間帯、いつからかこんな時間にミツルくんの練習に付き合うのが俺の日課と化していた。


「ラストスパート入ろうか」

「はい、!」

受け止める拳の重みも見違えるほどに成長した。
体が弱いから、と組み手に付き合ってくれといわれたときにはさすがに吃驚したが、まあこれもこれでいいだろう。
最後、ということでスピードも威力も上がったミツルくんの技に内心焦りながら口元に笑みを浮かべる。
ポタポタコンクリートの地面に汗を流しながら集中して動くミツルくんの目は本気だった。


「・・・よし、そろそろいいだろ。今日は此処まで」


最後の一発、と重たい拳を受け乾いた笑みを溢した。
肩で息をしながら頭を下げ、ありがとうございます。と告げられるのも随分慣れたもんだ。
ハア、と大きく息を吐き出して身体を伸ばす。
少しだけしかない俺の知識と体力ではそろそろミツルくんの相手をしてやれるのも限界だろう。
実際、既に体が悲鳴を上げているし。

「ミツルくんはもっと上手になれる」

「?どうしたんですか、タキさん」

予め用意していたタオルで汗を拭うミツルくんはコテリと首を傾けた。

「俺が教えられるのも此処まで、ってこと。
いい道場教えてあげるから次からそこ行きな」

第一、昔トレーナズスクールで少しだけ教わったのに、此処まで出来ることが奇跡なくらいだ。
もう20代だし。
そろそろ年だし。
めきめき、と音を立てながら首を回した。すっげ驚いた顔された。

「僕、タキさんだから組み手やってるんですよ?」

だからいいです。
そう言ってそっぽを向いてしまったミツルくんに今度は俺が首を傾げた。
何を怒ってるんだミツルくんは。


「明日もよろしくお願いします、タキさん」

「あー、うん。よろしく・・・?」

なんだかよくわからないまま、背を向けてしまったミツルくんに曖昧に返事を返した。



組み手だけが、貴方と僕を繋ぐ唯一のものなのに。

「タキさんのバカ、」
自分の子供らしさに嫌気が差した、朝日を迎える時刻




END



RSEのライバルミツル、サーナイトの子。

組み手本当にわかりませんごめんなさい!ナルトを思い浮かべたので思いつきのままに……



→ジュン


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