04 お題
04.糸電話 トウキ
『スキ』
掠れた声で囁く言葉が耳にこびりついて離れない。 その言葉の意味はただ一つだけ。 スキ。とは、好きなのだ。彼は冗談でものを言う人間ではない。 なんでも、どんなことにでも真っ直ぐで一生懸命で。 だから決して、冗談なわけが・・・ないのだ。
「トウキ、くん」
俺と、そしてトウキくんを繋ぐ糸電話。 一本の赤い糸の先には、紙コップがあって。それがどんなに子供染みていたって、糸電話は俺とトウキくんを繋ぐ一つのアイテムになる。
『タキ、さん・・・すみません俺、』
なんで、謝るんだよ。 そう言おうとしたけれど、声が出なかった。 自分で思っているよりも吃驚しているのだろう。身体は、正直だ。
『本気、です』
微かに震えているトウキくんの声に俺はただただ耳を傾ける。 なんて返事をして、どんなアクションを起こせばいいのか。わからない。答えを見つけられなかった。
「トウキくんは、俺に・・・何を求めてるの?」
漸く出すことの出来たセリフは、酷く冷たくて突き放すようなものになってしまった。 そんなつもりは、ないのだけれど。 だって俺はトウキくんのことは嫌いじゃないし、むしろ好きだ。 可愛い、尊敬、おもしろい、楽しい。だから、嫌いじゃないんだ。むしろ好きなんだ。
『俺は、』
好きだからいろんなことをしてやりたくなる。
だからトウキくんが望むものを、俺は与えてやろうと小さく微笑んだ。
END
RSE、2個目のバッチの格闘のジムリーダー。 普段から可愛がられてるレッドグリーンに嫉妬してればいい
→トウヤ(BW主♂)
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