03お題
02.二人乗り
サカキ
「お、おい・・・タキくん」
「はい、なんですかサカキさん」
シャー、と軽い音を立てながら自転車は走る。
かかる体重がいつもの2倍になるわけだからそりゃ重たいのだが下り坂だとその重さが糧となる。
「二人乗りは法にひっかかるんじゃないか」
俺の腰に腕を回しながらそう声を上げるサカキさんに笑う。
ちなみに目的地点なんてもの、決めていない。
「R団のボスが何弱気なこと言ってるんですか!見つからなければ・・・」
いいんですよ。
そう言葉を続けようとしたときだった。
背後からなにやら嫌な音が聞こえてくる。・・・もしや、この音は。
『そこの二人乗り自転車そこの二人乗り自転車。降りなさい』
(出た!!)
パトカーだ。サイレンがけたたましく鳴り背後から徐々に迫ってきている。
ひやりと背中に嫌な汗が伝う。早速見つかったよどうしよう。
「タキくん・・・全力で漕ぎたまえ」
「う、うっす!」
それから30分後。
無事振り切ることはできたものの、(運動後的な意味で)俺の足腰が使い物にならなくなったのはまた別の話。
END
R団ボスのサカキ。
人のポケモン奪うけど二人乗りとポイ捨てはしないサカキ。
→トウキ
← / →