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02
お題



02.おんぶ
ワタル


「ワ、ワタルさっ、重いからいいですって・・・!」

「そうは言ってもなあ。タキ、お前怪我してるんだろ?」

何年ぶりだろか。
人の背に抱きついておぶってもらうことなんて。
図体がデカくなってからは、おぶってもらうんじゃなくておぶる方がほとんどだったし。
ワタルさんの大きな背の上で顔を真っ赤に染めて俯く。
なんだよこれなんて羞恥プレイだよ。
ジクジクと痛む、さっき捻った足よりも煩く鼓動を打つ心臓のほうが気にかかった。


「大丈夫ですから・・・!」

「いいから甘えておけよ。俺の上に乗れるなんてそうそうないぞ?」

そう言ってカラカラ笑うワタルさんに何言ってんだこの人、と唇を噛んだ。
日暮れのせいか人はいない。それだけが救いだろうか。
夕焼けに照らされながら、全てをワタルさんの背に託す。

ドキドキと煩い心臓の音がワタルさんに伝わらないか本気で心配した、夏の終わりの一日。

夏が、終わる。


「もう少しだけ、」
喉にひっかかるセリフが、言えなかった




END



ドラゴン使いなチャンピオンの彼。
兄さんの兄さん的な人だったら良い

→サカキ


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