道外れたstory 番外編
逆ハー補正トリップ女の子
ある日の出来事だった。 気がつけば、幼馴染が一人増えてました。
「グ、グリーンっ、レッド・・・っ、あんま引っ張らないでってばぁ!」
やけに騒がしい、長閑な村マサラタウン。 窓の外から聞こえてくる聞き慣れない声と聞き覚えのある名前にピクリと眉を動かし目を薄めて開けた。 なんだなんだ、朝っぱらから騒がしいな。ついにガールフレンドでも連れてきたか? ごしごしまだ重たく寝たい瞳を擦りながら身体を起き上がらせれば丁度いい具合にピンポンと家の呼び出し音が鳴る。 なんだ、何事だ一体。 ただただ面倒な予感しかしなくて、けれど出ないわけにも行かなくて重たい身体に鞭を打った。
「・・・はい、?」
不機嫌な声で、ガチャリ音を立てて扉を開ける。 一番初めに視界に入ったのはやけにキラキラ光る女の子だった。
「タキ、おはよ」
「はよー。届けに来たぞ」
「・・・おお、はよ」
続いて幼馴染二人と眠そうな顔で挨拶を交わす。 お前らもいたのか。やっぱこの女の子はガールフレンドか。てか届けに来たって一体何事だよ。
「イトコならちゃんと責任持って面倒見てやってくれよ、頼むから。こっちは安心して寝むれやしないぜ」
「・・・はあ?イトコ?」
眠そうに目を擦りながら女の子の背を押して俺に差し出すグリーンがため息を吐き出した。 ていうか、大丈夫かコイツ。何言ってんだ。
「マキ、外で倒れてた」
「マキ?」
「んで、俺らが保護してさっきまで一緒にいたんだよ」
「・・・はあ」
心配そうに俺を下から上目遣いで見上げてくる女の子―きっと、この子が彼らの言うマキちゃんなのだろう―に何言ってんだろうねこいつ等。と首を傾げて笑ってみせる。 しかしマキちゃんはすぐに俯いてしまった。あれ、なんだ。俺怖いかな。
「マキちゃん?外で寝てたの?おうちは?大丈夫か、お母さん心配してない?」
「え・・・あ、・・・っと」
長く伸ばした髪の毛を赤いリボンで止めたマキちゃんは困ったように眉を寄せて、レッドとグリーンに視線を移した。 あれ、本格的に俺嫌われちゃったかな。そんなに怖いお兄さんに見えるかしら。
「何言ってんだよタキ。マキ、親が最近違う地方行ってるから今はこっちに来てんだろ? イトコなんだかしっかりしてくれよ、お兄ちゃん」
「・・・は?」
さっきからグリーンの言うことが若干理解できていないのは気のせいじゃない。 何をこの子は言ってるのだろうか。さも俺がマキちゃんと顔見知り・・・いや、イトコという関係のように話を進めているがお生憎様俺にはイトコなんてもの一人もいない。(記憶の限り) 彼女とは今日初めて話をしたし、顔を見たのも初めてである。 ・・・一体この子は何を言ってるのだろうか。
「まあ、そうゆうことだから。俺ら今日予定入ってて帰るの遅くなんだ」
「夕食、お願い」
それじゃあ行ってくる。 赤と緑の二人はそれだけ言い残してさっさとどこかへ行ってしまった。 残されたのは俺と、マキちゃん二人である。
「・・・はあ、」
無意識の内にたれたため息にマキちゃんが心配そうに顔を無言でのぞく。 綺麗というよりも可愛い。まだどことなく幼さの残る顔立ちをしたマキちゃんはこれ以上にないくらい美少女だった。 本当いつの間にこんな上玉を・・・。レッドやグリーン。はたまたナナミやその他端正な顔立ちの友人を持ったせいか、いくらかてんぱってかっこ悪いヘマはしなくてすみそうだ。 困ったように眉を寄せるマキちゃんに笑いかけた。
「とりあえず入って、寒かっただろ」
「あ・・・っ、すみません、ありがとうございます・・・!」
「はいはい、どうぞどうぞ」
あいつらの冗談じゃないけれど、なんだか妹みたいで自然と笑みがこぼれた。 たまにはこんな素直な子もいいよな、まああいつらも素直っちゃ素直だけど。 タキさん・・・? そうおずおずと尋ねたマキちゃんにん?と笑顔で返事を返した。
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