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3
番外編




「な、・・・は、え?」

「し、」

これじゃあせっかくのムードがぶち壊しだ。
そう言って口元に人差し指を持っていくグリーンを呆れたように見つめるもすぐに気をとりなおす。
今、もしやちゅーされた?
・・・ムードもくそったれもあるかってんだ。
バカやめろよ、と引きつる笑みを浮かべながらグリーンの胸を強めに押すもピクリともしない。
体勢のせいってのもあるのだろうけれど・・・コイツこんなにデカくなったのか。
成長ってのは早いもんだな。

「・・・さすが大人の対応、って奴?最高にむかつくねえ」

「、に言ってんだよ・・・。ちょ、まじ重いから・・・」

珍しくグリーンの瞳の中に苛立ちの色が見えた。
そう思い感じ取ったときには既に遅かった。
俺の口は、またもやこの男によって塞がれていた。

「ん、・・・ぅ、」

キュウ、と鼻をつままれる。
まさか、本気なのだろうか。
空気を取り入れようとしかたなしに開く口。
そして、そこからは自分以外の熱がニュウと割って入ってきた。

「は、・・・ん、・・・っふ」

自分以外の舌の感触に眉をしかめる。
しかしそれでも強制的に退かそうとしないのは先ほどしたばかりの約束があるわけで。
まさか破るなんて大人気ないこと、しないししたくもない。
喘ぎ声を上げながら酸素を求めるがしつこく絡ませる舌にそれもそう簡単な事でもなかった。
グリーンの服を掴み、まるですがりつくようにグリーンを受け入れる。
近いところにあるグリーンの瞳は苦しげに細められていた。

「んっ、ふ・・・っ、は、・・・、」

俺のほうが、苦しいっつうの!!
いい加減本当に死にそうだから軽くドンドンとグリーンの胸元をたたく。
そうすれば限界が近いことに気がついたのか。ゆっくりと舌と唇を離した。

「、はっ・・・げほ」

「は、・・・っ、は」

二人して荒い呼吸を繰り返す。
いまだに俺の上に馬乗りしているグリーンは息を整えると俺の顔の両脇に腕を置いた。
もう息整ったのか。若いってすばらしいな。
俺ぜんぜん整わないんだけど。しかも何臨戦態勢入ってんの。

「グリ、まっ」

「待たない。・・・待てない」

俺の上に覆いかぶさるようにしているグリーンはニコリともせず言い放った。
何をそんなに焦っているのかしらないけど、俺はもう限界だ。
そろそろ本気で我慢ならない。
男に組み敷かれているという事実も、この腹にかかる圧迫も。

「グリーン、どけ」

圧迫されていて出しにくい声を無理やりだしたら予想外に低くて、まるで威嚇しているようだった。
やべ、機嫌そこねたりしたらどうしよ。
若干焦りながらすぐ数センチ先にあるグリーンの瞳を見つめた。
その目は困惑に揺れていた。

「グリーン」

「っ、は・・・わかったよ。こんなときばっかし年上ぶりやがって・・・」

別に年上ぶってねえし。
俺の上から退くグリーンに漸く呼吸が楽になる。
ハアと息を吐き出し、上半身を起き上がらせた。

「お前なあ、もうデカいんだから容赦なく座るなよ?俺の腹筋が崩壊するところだった」

「あんたには腹筋なんて代物ないだろが」

余計なお世話だ!
引きつる口元を押さえながら転がっているモンスターボールを掴み取り立ち上がった。
そろそろ昼食の時間なのだろう。
俺の腹がそう告げている。

「じゃ、俺帰るわ。・・・あ、お前も飯一緒に行くか?」

どうせ俺外食だし。家に帰ったってなんも作れないから近所の安い店に行くのが俺の日課となっていた。
兎にも角にも、そうやってグリーンを誘えば意外だったのか。目を丸めるグリーン。
首をかしげ返事を待つ。

「あ、ああ。俺も行く」

あわててそう返事をするグリーンになら準備早くしろ、と笑いかける。
今日一日奴隷だしな。どうせ俺の奢りだろう。
絶対今日一日で財布の中身が一気に軽くなる。
ため息混じりに息を吐き出し、未だにすわったままのグリーンにひざまずいて見せた。

「それでは行きましょうか、ご主人様?」

珍しくうろたえるグリーンにニヤリと笑って見せた。


end


IFなのか本当に合った出来事なのかは皆様のご想像にお任せ。
つうか主人公チューされた後の態度が普通すぎて自分でも吃驚。






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