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08
1部



「マダツボミ、葉っぱカッター!」

「ツボ!」

敵のトレーナーのポッポに直撃したのは俺が求めていた葉っぱなんかではなく、蔓で。
見事直撃した蔓の鞭はどうやらかなりのダメージだったようで、最後にとポッポは一声鳴くと地面に倒れ付した。

またか、と肩を落とす。
これで何回目だろう。マダツボミが、俺の号令を無視して違う技だしたの。
何これ俺がいけないのかな、俺がもっと正確な指示出せばついてきてくれんのかな
もし赤いあの子とか緑のボンジュールとかなら言うこときくのかな

「・・・マダツボミ・・・」

俺の・・・何がいけないのでしょう。
若干涙目になりながら、鬱陶しそうにこっちを見つめるマダツボミの名を呼んでみる。
気が強いのは一体だけでいいのよ、とウインディたんを思い浮かべるが・・・ちょ、俺の想像内でもウインディたんが俺に吼えてるってどうゆうことなの


「どうしたらお前は俺を認めてくれんの?」

今戦った相手の哀れみの視線を受けながら、俺はマダツボミの目線の高さまで腰を下ろした。
くそ、なんで俺が勝ったのにそんな目で見られなくちゃいけないんだ!
居心地が悪くって、シッシ、と短パン小僧を手で追い払う。
ガキんちょが何金払おうとしてるんだか。
これじゃあ一種のかつ上げみたいな感じで俺おまわりさんに逮捕されちゃう


「・・・ツボ」

俺から視線を外してしまったマダツボミにハア、とため息を吐き出す。
これはやっぱりあれか。俺の技量の問題なわけですね。

「ならわかった。ツボツボ、よーく聞け!」

「ツボ!!」

「もう少しでジムのある町までつく。
・・・そこで、お前を使いこなしてジムリーダーに勝ったら・・・俺を認めろ!!」

わかったか、ツボツボ!!
そう叫んで既に落ちかかっている夕日を指差した。

「ツボ!ツボ!」

ツボツボ鳴くなよツボツボ
カラカラそう笑ってやればさらにツボツボ言い出したマダツボミの頭に手を載せた。

「うそうそ、ごめんってツボツ・・・マダツボミ」

「・・・ツボ」

不貞腐れたようにそっぽを向いてしまうマダツボミについ笑みがこぼれる。
こんなんだって前回からお前は大事な俺のポケモンなんだから。
絶対に認めさせてやんよ。

オ・・・オ・・・オニ、オニ・・・オニ・・・スズメ?が群れで飛んでいる夕暮れの空を見上げて、
俺は名も顔も姿かたちも知らない次のジムリーダーを思い浮かべる。
俺とポケモンとの絆さえあれば楽勝楽勝。

「ツボ」

早くボールへ返せと催促され、ポケットに装着していたボールにマダツボミを戻す。

まだ繋がっていない絆に、若干ホロリと泣きながらヨシノシティのポケセンへと向かうため、踵を返した。


END



完全にフラグ立ちましたご愁傷様です
兄貴のジム戦での頑張りに期待でもしておきましょう



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