○月◎日 曇り後晴れ






今日はなんだか大変な一日だった。まず始めに、毎朝恒例の天野亜美さんの目覚めの儀式をしているのが私ではないとバレてしまった。先生にくどくどと説教を聞かされた挙げ句、罰として一週間分の薪割り、風呂掃除をするように言われた。私は悪くないのに…不公平だ!
しかも、この二つの仕事は確か天亜美さんの仕事だったように思われる。街へ出かけるんだろう天野亜美さんとその他大勢の同級生がイライラしながら薪を割る私の隣を素通りした際には、盛大に舌打ちをして勢いよく薪に向かって斧を振り落とした。真っ二つに割れたそれは、割った時の勢いをそのままに鼻のした伸びきった善法寺伊作の頭へ飛んでいった。その安定の不運は、どこか安心させてくれるから不思議だ。
続いて風呂掃除。あれは大変だった。あまり丁寧に掃除されていなかったのか、隅っこのほうがもう目も当てられない状態になっていた。こんなのをは組の二郭伊助くんにでも見つかってしまったら……考えただけでも末恐ろしい。私は、誰が見ても美しいと絶賛するぐらい綺麗に磨きあげた。
そして、その掃除中に偶然にも見てしまったのがくノ一教室の子と忍たまとの修羅場である。どうやら別れ話だったらしく途中、女の子の方は強烈なビンタをかまして泣きながら去っていた。忍たまの方はというと、ビンタを受けた方の頬を痛そうに摩りながら長屋の方へ帰っていった。その後、迷惑そうにその時のことを仲間と話ているところを目撃した。(なんて怖いもの知らずなやつなんだ…)
最近、この手の話が増えて来ているらしい。それも天野亜美さんが来てから。今までは授業や忍務に支障がでなければ個人の色恋沙汰には口出しする事はなかったが、どうもそう言ってはいられないらしい。
それに、もうそろそろくノ一教室のあの子は黙ってはないだろう。




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