○月◇日 雨





本日は朝からずっと土砂降りの雨だったため、火繩銃の授業は中止になり、そのままの流れで授業も潰れてしまった。あまりにも暇だったので、誰かと食券を賭けて組み手でもしようかと思ったが、同じクラスの半数以上が何処かへ消えてしまっていた。どうやら天野亜美さんの元へ行ってしまったらしい。様子を見にいけば、むさ苦しい緑の山と苦笑いでそれを見ている食堂のおばちゃん、そして、それらを何処か冷めた目で見ている食堂当番の乱太郎、きり丸、しんべヱの姿があった。
どうやら天野亜美さんの仕事中にこの山は出来たらしく、切っていた野菜はそのままで、仕事が全く進んでいないらしかった。仕方がないので私が代わりに、天までそびえ立つ野菜達を切っていった。仕事をしている間、乱太郎、きり丸、しんべヱの三人があまりにも冷めた目で目の前の光景を見ているものだから、どうにか笑って欲しくて、手に持っていた人参でウサギの形を作った。(立体で)そのおかげか、三人は興味津々という感じにぴょん太(きり丸がつけた名前)を見てくれたが、食堂の女帝、食堂のおばちゃんは違った。ただでさえ足りない材料を減らして!!!と怒られ、食事の時間帯になっても怒られ続けた。とんだ執着プレイだ。…いや、そっちの趣味はないけどさ。
その日、確かトンカツの美味しいA定食を頼んだハズなのに、トンカツの代わりにぴょん太が乗っていた。
三人組のうるうるとした視線を感じつつも、顔の真横を飛んできた包丁に抗えるはずもなく、美味しくぴょん太を頂いた。
私、思うんだ。
実は食堂のおばちゃんって忍者に向いてるじゃないかって。


それにしても、天野亜美さんの人気はハンパないな




back

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -