○月×日 晴れ
本日から日記をつけてみようと思う。
今日は裏山で実戦演習があった。珍しく五、六年合同の演習で、私はハンデとして五年生の班に組み込まれていた。
演習は相変わらず例の連中が賑やかにしてくれて、私はそりゃーもう腹を抱えて笑った。だって、普通あそこまでわっかりやすい罠にかかるか?それも、罠避けた後にこけて。お陰で同じ班だった五年生にはドン引きされたけど。
そういえば、ろ組の暴君が女人を拾ったらしく、学園長に呼びだされた。
何やらピリピリとした空気に満ちている学園長室に入ればこれまた場違いな女人が一人。
なぜだか、目があった瞬間に微笑まれたので、一応微笑み返しといた。笑顔とは便利なり。
用件はその女人の事。名は天野亜美というらしく、翌日から食堂の方で働くという、いわば紹介のようなものだった。
天井からの漏れだしている気配に溜め息をつき、客人用の部屋まで案内するよう指示されたのでそれに従った。以下、天野亜美の特徴を記す。
・はかなげな垂れ目が特徴
・髪は艶があり、滑らか
・手や足からは傷は見当たらず、どこぞの箱入り娘のよう
・何か訓練を受けた様子はなし
・雌猫のような匂いを漂わせている
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