やあ、今この文を読んでいる諸君。
私の名は影森透、僭越ながら忍たま教室筆頭を努めています。
諸君がこの文を読んでいるという事は、残念ながら私は既に存在していないのだと思われる。
もしかしたら諸君は私の事を覚えていないかもしれないが、私は自分が思っているよりも随分と淋しがり屋なのでこうして一冊の日記と文をしたためてみた。
この文の封を切ってくれた君、どうもありがとう。
死んでしまった後の事はわからないが、きっと君がこれを読んでくれているお陰で、少しは淋しいさも紛れているだろうと思う。
そして一部の諸君、私は君達の長として一言だけ遺してやろうと思う。
「過去というのは淋しがり屋だ」
まあ、これは未来のとある著者が言っていた言葉なんだが、この際引用させてもらう。
過去というのは淋しがり屋だ。走れども走れども追い掛けてくる。しかし、追いつかれてどうするかは諸君次第だ。
抱きしめてやるもよし、その場限りに蹴散らしてやるもよし、重いそれを背負って潰されるもよしだ。
しかし、逃げるなよ。
奴は必ず追いかけて来る。逃げれば逃げるほどな。
そして、後輩の諸君、
私は君達の笑っている姿が好きだ。もし、私の事を思ってくれているのならば、笑っていて欲しい。
きっと、これから辛い事の方が多いと思う。
だからこそ笑え。
笑って過ごせる未来を創れ。
忍だからとかいうなよ。私は忍でも 君達だからこそできると信じている。
かと言って、辛い時には無理して笑うな。泣け。
きっと、泣いた分だけ強くなれるはずだから。
それじゃあ、一足早いが先に逝くよ。
忍術学園 忍たま筆頭
影森 透
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