▲月▼日 晴れ






今日は裏山に出るという大猪の討伐隊の隊長として山に入った。討伐隊は主に四年と五年生で構成されており、六年生は私とろ組の谷村大五郎だけだった。
正直なところ、久々知兵助や竹谷八左ヱ門を入れるぐらいなら四年生をもっと入れた方がよっぽど役に立つ。と、言いたかったが、心の内に留めておいた。だって山田先生からの矢羽音が怖かったんだもん。
行く前に一年は組の連中に行かないのかと聞いてみたら、「今回は先生方がいるから罠を張って、遠くで見学している」としおらしい返事が返ってきた。確かに、今までみたいに人間相手ではないから演技なんかしている暇もなかったのだろう。


山に入る前に五年生の竹谷八左ヱ門が狼を連れていこうとしたのだが、狼達が命令を聞かないなんて事があった。世話を怠るからだ。

山に入り、ニ、三人に別れてそれぞれ探す事になり、しばらく山の中を走り回っていると聞こえてきた叫び声。そっちの方に出たのかと思いきや、五年生共が獣用の罠に(恐らく一年は組が仕掛けた)かかっていた。全く、呆れてモノが言えない…と、思っていたら、谷村大五郎が声を張り上げた。
これは確かに驚いた。谷村大五郎はどっちかっていうと、おとなしい方で、何か起きても淡々と自分の役割をこなす様な奴だったからだ。
さすがに五年生の奴らも目が覚めたのか、特に反論することなく私達六年生の指示に従っていた。

ああ、やっぱりこの学園はまだまだ捨てたもんじゃないな。




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