「仕返ししてやろうよ」






偶然にも、それを口にしたのは春と同じぐらい大切な友人、結衣だった。
お互いに同じ事を考えていた事がわかり、顔を見合わせて笑った。
復讐の手始めとして、プランを立てるためにも、奴の情報を集める事から始める。








「久々知兵助2年A組8番A型うお座、一人っ子で好物は豆腐。運動神経は一般人よりちょっと上、顔良し、頭良し。なお、視力が若干弱いのか授業時には眼鏡(伊達?)を着用、そのギャップに女子達は惹かれるらしい。ちなみに普段は女子には紳士的でその仮面に騙された女の子多数。因みに、これまでの人生に事件らしい事件は無く、当然の事のように起きる妬み恨みなどはあのいつもつるんでいる四人組のおかげで今のところ何も起きておらず……全く、順風満帆な人生なこって!」


「ふうん、よくこれだけわかったね結衣、」


「ふふん、女子の情報網を嘗めないでいただきたい」


「えらいえらい」


「………」



素直に褒めたのに不服だと言わんばかりの結衣。
何が不満だって言うんだよ。



「上から目線腹立つ。どーせ、これくらいの情報はもう知ってんでしょ、」


「まぁね」




なんせ幼なじみですから、という言葉は心の中で呟いておいた。私達の関係は兵助に口止めされているし、何より今言ったって得な事は一つもない。



「……じゃ、この情報は知ってる?」


「なになに?」


「あの五人組、最近落とすのもヤるのもマンネリ化してきたって事で、一つゲームをすることにしたらしいよ」


「え、何それ知らない」


「A組の佐藤さん知ってる?」


「ああ、あの男嫌いの」


「そう、あの佐藤さんを誰が落とせるかってゲームしてんだって」

「うわぁ……


「そういうと思った」


「あ、春!」



結衣の後ろを見れば、笑顔でこちらにやってくる春がいた。
その笑顔は確かにやつれてはいたけれど、一ヶ月前よりは確かに回復していた。これも私達の必死の介抱のおかげだ……と、思いたい。


















きっと、春は私達のやってることを知ったら怒るんだろうけどね、







もう止まらないよ







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