『今日最下位の星座は獅子座のあなた!見てはいけないものを見てしまうかも。家で大人しくしているのがいいでしょう!』





テレテレッテテーという軽快なリズムとともに、今朝の星座占いの映像が頭の中に流れ出した。

しかし、私の顔はリズムとは裏腹に先程から冷や汗がそれはもうダラダラ流れている。


う、占いの通りだ…


何故このようなことになってしまったのかと言うと、数分程遡る事になる。





本が好きという理由だけで図書委員会に入った私は当番のため放課後の図書室にいた。
閉館時間になり、馬鹿でかい図書室の戸締まりとチェックをしていると何やら奥の方から人の気配を感じた。



あー、またか。



中々の蔵書量を誇る我が大川学園の図書室は本当に広い。
そのため、カウンターから見えず、めったに人が近づかない様な本棚の影で頭の沸いたカップルがチュッチュッしているなんて事はざらにある事だった。



全く、図書室をなんだと思っているんだか。



そう思い、いつもの様に閉館時間を告げようと本棚の影から半身を出した。





「ん、あっ、ああっ、さ、ぶろ、」


「ッ、」





あああああ、


これアッカンやつやあああああ!!!



うわあああ、これもうチュッチュッとかベロチューとかそんなレベルじゃねええ。
接続ってやつだ、合体ってやつだ、生物学的には交尾ってやつだ。


 し か も 、



「や、あっ、さ、ぶろ…」


「雷蔵…かわいいよ」



めちゃくちゃ知り合いやんけ!!!


身体が震えだし、膝から力が抜けてその場に尻餅をついた。


な、なんてこった…、

そういう世界が存在するとは聞いていたがまさかこんな身近にだったとは……つか、幼なじみの息子さんなんか見たくなかった…。


一刻も早くその場から離れなければいけない気がして、腰が抜けてしまった身体に叱咤する。

うわあああ、動け!動けよおおお!!

何とか四つん這いになり、床を這って図書室を出た。



「……、」


おいおいおい、二人とも付き合ってらしたんですか。ナマエちゃん全く知りませんでしたよ。それよりも、明日のお弁当に赤飯持って行った方がいいですかね?いや、優しく見守った方がいいですよね。大丈夫、私、口が堅い事で有名ですから(自称だけど)。
ああ、そういや男同士でも突っ込むんですね。初めてみました。そりゃあそうですよね、だって私まだキスも済ませてませんもん。見てしまった私的には大人の階段を跳ね上ってしまったような気分です……ああ、今日は夕飯作るのがなんだか面倒だなあ。お兄ちゃんが仕送り多めにくれるし今日ぐらいは奮発してトンカツでも食べに行こうかな、うんそうしようそれがいいよ。



使えない頭の電源を切り、私は立ち上がった。





一番高いやつ食べてやるんだ……

わあ、嬉しいな。

涙がでちゃう。




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