ため息を一 つ漏らすと白く染まり空に溶けた。
日が落ち、すっかり暗くなり街のイルミネーションがキラキラと輝きだす。ふと隣を見上げると、昔から変わらずに私の隣の位置にいる幼なじみの横顔がそこにいた。見慣れているはずの横顔なのにキュッと胸が締め付けられる。
それと同時に訪れる不整脈になんだか恥ずかしくなって、それをごまかすように話し掛けた。



「寒いね、三郎」


「寒いな」


「……」



凍てつくようなこの寒さのせいかお互いに口数が減り、とうとう訪れた静寂。
周りに意識を傾けると、擦れ違う人達の声、何処かのお店のBGMなど、いろんな音で溢れかえっていた。
しばらく歩き続けると、街の賑やかな中心部から離れ、人もまばらになり、自然と視界が開けてくる。
それと同時に舞い降りた白い結晶に視線をあげ空を見上げると、雪が静かに舞い降りてきた。

あーあ、とうとう降ってきちゃった。


冷え切った手を擦り合わせようとした瞬間触れ合う手と手。
慌てて離そうとすれば、つよくつよく握り返された。



「……三郎?」


「雪が降るって…どうりで寒いわけだ」


「あ、あの、」


「あー、寒い」



見上げた三郎の顔は赤く染まっていて、握っている手も誰にも見えないような位置にある。

三郎、自分からする割にはいつも恥ずかしがってたっけ。

だんだんと伝わってくるぬくもりと比例するかの様に上がっていく心拍数に戸惑いを隠せずにいた。


「なんだよ…」


「! い、や、なんでもないよ…」


目と目が合って気づいた。

照れ臭そうに顔を赤く染める三郎も、手から伝わるぬくもりも、うれしくて幸せとわかっているのに、こうしてまた願っている。



このままいくつもの冬をあなたのそばで過ごしたい。



それでも想いを伝えるだなんて出来ない私はまた「寒いね」とつぶやくのだ。





雪の音






雪の魔法よ解けないで
もう少しこのままで



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GReeeeN/雪の音

文章能力が欲しい……
表現力が足りなくてこんな話になってますが、原曲は本当にいい曲です!
ぜひ聞いてみて下さい^^
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