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「じゃあ、今度はこっちの衣装着てちょうだい」


「はあ、……」




シワが着かないよう受け取った衣装は、いわゆるメイド服に分類されるもので、上半身部分が辛うじて着物のような襟になっているからか、和風のメイド服なのだと説明を受けた
完全に私を着せ替え人形にして遊んでいる張本人、レディリリスは無邪気でいて妖艶な笑みを浮かべて、首を傾げるものだから、私には拒否権はないのだと思い知らされた



































「はあ、交換留学ですか」





「ええ、まあ留学というかほぼ出張に近いですね」



何故だかその仕事を告げた張本人である上司、鬼灯様はすこぶる機嫌が悪かった
なんでも先日EU地獄の方から閻魔大王の元に親書が届いたらしい
前回の様なふざけた文章は流石になかったが、どうにも内容がこの鬼神様の気に障ったらしい
内容は、一週間程あちらとこちらの獄卒(悪魔)を交換留学、もとい交換出張させたいとのことであった
徹底的に精神を折られたと聞いていたけれど、随分強かですね



「あちらの言い分としては『たがいの交流を深める為』だとか言っていましたがただ単にこちらの情報が欲しいだけでしょう」


「まあ、ですよね」


「すごく、とても……、私とて不本意ですが会議の結果あちらの要望通りあなたをあちらに送ることになりました」


「いや、私は特に気にしてないんで」



私の手を離すまいと握っている鬼灯様の眉間は普段の三割増は深かった
別に嫌悪感があるわけではないけれど、これセクハラで訴えられても文句言えませんよ鬼灯様




「貴女に限って何かあるとは思いませんが、悪魔たち多くの本分は誘惑です。念の為にこちらを」



受け取ったモノは金魚草の根付の様なもので、紐の先に鉢が付いたなんとも妙ちくりんな根付だった



「こちら私が今プロデュースしている金魚草グッズの一つを私独自に改造したものです」


「はあ、」


「こちらの紐を引っ張ると大音量の鳴き声と共に私を召喚できるようになっています」


「何やってんですか仕事してください」








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