『ただのしがない情報屋さ』


先日、この忍術学園に二人目の天女が現れた。






一人目のときとは違い過剰とまで取れるような警戒体制の中、二人目の天女と学園長及び教師陣との対談が設けられた。
それもそのはず、一人目の天女は降ってきたその時に偶然にも実習授業を受けていた六年生のほとんどを惑わせてみせ、現在進行形で学園を混乱に陥れているのだ。……まぁ、学園についてはこの天女だけのせいではないけどね。

え、そんな事はわかってるからさっさと報告しろって?ゴメンゴメン、僕ってばお喋りなもんでさっ!

つか、天女天女ってさっきから言ってるけどさ、君達ちゃんと本人見た?あの子どっからどう見ても男の子にしか見えないんだよ。一人目の天女見たいに特別眉目がいいってわけじゃないんだよ。まあ、そりゃああの天女と比べたらって話なんだけどね。普通に見たらそれなりに顔はいいんだよ。………ゴメンゴメン、謝るからそんな目で見ないでよ。とにかく、今回ね子はまた変わってるんだよ。
あの子、学園長と教師陣の会話、あと天女1の取り巻き達の批難を聞いてなんて言ったと思う?演技も嘘も混じってないまるで幼い子供の様な笑顔でこう言ったんだ。



「じゃあ、殺してくれていいですよ」



ビックリだろ?いやあ、僕だって流石に怪しいと思って頭ん中覗いたんだけどさ、嘘じゃないんだよ。本当に殺される気でいるんだよ。殺されることに恐怖を持っちゃいないんだよ、だだ、あるがままに受け入れてんの。不思議な奴だろ?でも、どっかの天女1みたいに仕事はサボらず完璧こなし、しかも自分の身は自分で守れるぐらいには力も持ってる。あの五年生の忍たま…そう、あの女だよ、あれと違って性格も良いしな。



……以上が僕の持っいる情報だけど、そんなに気になるなら自分で見てこいよ。…え?惑わされるかも?大丈夫大丈夫、今回の奴はそんなこと出来ないらしいぜ。

さて、僕ももう行くかな。
お代?いえいえ、お代はいりません。お客様の喜ぶ顔が見れれば結構でございます……ってて、わかったって!わかったから脇腹抓んないで!


全く乱暴なんだから……最後に一ついいかって?なんだい、言ってみなよ。





僕?僕は五年は組に所属するただのしがない情報屋さ。







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