急に黙り込んだあたしに何を勘違いしたのかとっしーは解ったから拗ねるなとか言いながら自分の髪を掻き回していた手であたしの頭を撫でた。いや拗ねてないからね言葉の凶器にめった刺しにされていただけだからねと胸中でぼそぼそと思いつつ、けれどもとっしーに頭を撫でられるというのは付き合っていながら中々貴重なので拒絶はしない。つまりだな、とたっぷり間を空けて意を決したように言葉を繋げたとっしーの耳が赤いような気がした。
「お前、制服のスカート短い、だろ。だから、だな」
「はっきり!」
「…ちらっちら見える下着が最近赤一色に変わって気になってたんですゥウウ!!」
 半ばヤケクソ気味に叫ぶとっしーの声が保健室内に充満する。ちょ、ヤメロ。恥ずかしいだろ、絶対廊下にも響き渡っただろこれ。あたしの下着の色を盛大にばらすんじゃない。いや色自体に意味合いはあるんだけどね。見せるための赤なんだけどね。
 瞳孔、というのは人間の目ん玉になくてはならないそれはそれは大切な機能で、光だけでなく色を見ることに関しても瞳孔は忙しく伸縮を繰り返しているらしい。とはいえ詳しくは知らない。
「赤ならもっとあたしがよく見えるかなと思って」
 ただ青を見る場合には収縮、赤を見る場合には拡張するらしいのです。
「…は?」



その両目で焼き焦がす




 ああでもよく考えたら下着じゃあエッチの時にしか意味がないじゃないか。常に瞳孔全開なとっしーへ有効なアピールだと思ったのになんてこった。
「そういえば総悟謝ってたよ、保健室にも運んでくれたし」
「…珍しいな」
「たんこぶできたとっしーの顔写メって帰ったけど」
「ぜってェあいつ殺す」



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企画「黒に溶ける」様に提出!
遅れてしまってすみませんでしたあああ!!!!!
土方さんお誕生日おめでとううう!!!!


 






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