お前に付き合いきれるあいつがすげェ。と土方がため息しやがりながらチャイナとじゃれている彼女を目で示す。確かに、一理ある。かもしれない。今まで付き合ったやつは俺が本領を発揮する度に逃げ出しているわけで、更にいうならちょいと苛めたくらいで逃げ出しているわけで、そう考えると彼女には感謝しなければいけない。のかもしれない。とは言っても感謝の仕方などやりなれていないものだから解りもしない。もしかして俺はすごく残念な人間なのではないだろうか。
「土方さん、感謝を伝える方法を教えてくだせェ」
「お前の場合は謝罪がセットだ」
 どうも泣かせてばかりの俺はありがとうと同時にごめんをを繰り返さなければいけないらしい。比率的には五分と五分、だがお前は確実にごめんの勝ちだろうなと土方のヤローが笑った。最後の言葉はきっとごめんで了いだとか言いながらヤングマガジンへ視線を落とす。土方に言われるのは癪だが確かにそうかもしれないと思いつつちらりと彼女を振り返った。瞬間、ばちりと視線がぶつかって思わず仰け反る。
「お弁当頑張って作るねー」
 ひらひら手を振る彼女にきゅんと胸が収縮する。世界はこれを愛おしいと呼ぶらしい。このままきゅんきゅんし続けていたら死ねそうな気がした。
「仮にごめんとありがとうを999999回ずつ言って最後の瞬間を迎えたとしやしょう」
「なんだ急に」
 怪訝そうにこちらの顔を覗き込んでくる土方にびしりと人差し指を突き付ける。相変わらず瞳孔全開のめんたまにぶっ刺してもよかったのだが、幸福感でいっぱいな俺には優越感などいらないのだ。めんたまに指を刺すのはまた今度暇な時のために取っておこう。
「1000000回に到達するありがとうの勝ちでさァ」
 きっとこの世の最後に俺から彼女へ伝える言葉はありがとうしかないのだ。とはいえ、つい先程実感したことなのだけれど。
 土方はそうかよ、とおかしそうに笑った。なんで笑うんだコノヤロー。
「本当大好きだなお前」
「…もうこんなに好きになっていいんですかってぐらい実は好きです」
「見てりゃあ解る。むしろそうであって欲しいとすら思うわ」
 少なからず土方にもいいところがあるのだという新たな発見をしたのでめんたまに指をぶっ刺す計画はなかったことにしようと思った。
「なんだその計画。失明させる気かお前。つーか心の声は心だけにしてくんない、口に出すの止めてくんない」
「やっべつい口が緩んじまった」



いいんですか?




 あなたといる意味を探したら明日を生きる答えになったよ!



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企画「泣き虫」さまに提出∩^ω^∩
彼女にめろめろしてる沖田と実は仲良しな二人の図が個人的に好きです
世界平和にはらっどが必要だと思います。←


 






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