言ってぱっと手を離す。彼女はうーんと唸りながら考えるように紙切れと睨めっこを開始した。マイペース同様いつも思うことだが彼女はとろくさいというかなんというか。
 少しするとやっと思い付いたのか、あ。と呟いてかりかりと名前を新しく書き足した。そうそれでいいんでさァまったくとか思いながら彼女と一緒になって紙切れを覗き込む。危ない危ないありがとそごちゃんとあまりにもにっこりして言うものだからつられてこちらも笑顔になったわけだが。
「…」
 書き足され名前になんだか泣きたくなってきた。
「…なんでジミー」
「仲良いから」
 どうやら本気で忘れられているらしい沖田総悟という名前はそんなにも記憶に残らないものだったのだろうかとつい自問してしまう。地味な山崎は思い出せたのに今目の前にいる俺の名前を現在進行形で書き忘れるだなんてあるのだろうか。いやいやいやねーよ。さっきから名前呼んでるしなんだこれいじめか。ドSで通ってる俺をいじめるだなんてどんな趣味だ。というかいじめないで下さい打たれ弱いんです。
「ちげーよまだいるじゃねーかィ、例えば目の前の、」
「いいのー、友チョコリストはこれで完成なのー」
「え」
 俺の言葉を遮る形で彼女の唇から零れたその意味深な言葉に、ついうっかり思考回路がショートした。まさかの本命かこれ。



何期待してんの?




「とか言って肝心の本命なんていないけどね。うん」
「…俺の名前をリスト漏れさせるなんざ良い度胸じゃねーかァアアア!!!!」
「やっべ忘れてたごめん」



‐‐‐‐‐
企画「Fed 14」さまに提出∩^ω^∩
どうしようなんか乙女くさいよ総悟←

ともあれ再び参加させていただきましてありがとうございました!


 






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