「あの、俺が注意していいことなのか解らないんだけどさ」
「え、な、なんだい、?」
 なんだその話し方。とか思いながら彼女を見上げる。ぺたりと相変わらず落ちた恰好のまま座り込んでいる彼女の両太股の間からは真っ赤なぱんつが御披露目されていた。今更ながら本当に悩む。こういうのってデリケートだから俺が注意してもいいのだろうか。いや俺しか注意する人間はいないわけなんだけれども。
「…ぱんつ見えてるよ」
 意を決してそう伝えると彼女の顔が一瞬にしてぱんつよろしく真っ赤になった。あ、可愛い。というか彼女の下着が赤色だなんてまったくの想定外だった。別に常日頃から女の子の下着の色を推理しているわけじゃないけどなんとなく白かなあという勝手なイメージ。もしかしたら彼女は意外と情熱的なのかも知れない。
「じ、ジミーって名前なんだっけ」
「え?山崎退だよ」
 ほう、そうかそうか山崎退か、と妙に冷静に意味深に彼女が呟く。あれ、なんか今までにない反応だ。とりあえず早く足下ろすか立ち上がった方がいいんじゃないだろうかとぼんやり考えていると未だに赤い顔の彼女とばちりと目が合った。彼女の形のいい唇が早口に動く。



「覚えていてやるから死ね!!」




「えええ!!」
 右手の中指を天井へ向かって指すという世界的にNGな指の立て方をしながら盛大にそう言い放たれる。それから上靴を本気で俺の顔面に投げつけて本気で殴りかかってくるあたりやっぱり彼女は普通ではないZ組の住人なのだと思った。もっと普通に名前覚えて欲しかったなあ。



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企画「誰も寝てはならぬ」さまに提出∩^ω^∩
や、やっと退に普通の日常をプレゼントしてあげられたよ…!
そして退の「言葉」が基本的に「えええ」な件←


 






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