やっぱり土方家発信だったのかとか思いながら神威と一緒におやつのお煎餅をかじる。銀ちゃんの目を死んだ魚と言うのは今のところ旧友であるあそこしか思い付かないわけで。しなくてもいい確認をとるために電話をかけた銀ちゃんは携帯に向かっていざって時は煌めくんだかんなとかなんとか叫んでいた。いざっていつだろう。
『そっちこそなぁ、父親のお前が大串くん大串くん言いやがるから最近俺を大串くんって呼んでくるんだぞ!!』
「え、まじで。やるな神威」
『オィイイイ!!』
 いちご牛乳、とコップを差し出してくる神威はただの真似したがりなのではなく"銀ちゃんの真似"がしたいらしい。



「まま」
 ぎゅっと抱き付いてきたかと思うとよじよじと赤ちゃんの詰まったお腹に登ろうとするので慌てて神威を止める。ベッドの上に座って本を読んでいる私の隣へ仕方なさそうにちょこんと座ると神威はつんつんと小さな人差し指で私のお腹をつついた。よしよしとぴんく色の髪を撫でるとシャンプーの香りが広がる。銀色の髪の銀ちゃんとただの茶色い髪の私の遺伝子がどう変異を起こせばこんなに綺麗な色になるのか激しく疑問。お腹の子も同じ髪色で生まれてくるのかなあ、そうなら神威と並んだらきっと可愛いに違いないと妄想を肥大させてつい口元が緩む。
「銀ちゃんは?」
「まだお風呂だヨ」
 言いながらまたお腹に登ろうとする。とりあえずお腹には乗せられないので枕と壁にもたれかかっていた上半身を起こして膝の上へ神威を乗せた。お腹でなくても良かったのかそれなりに満足そうに笑ってこちらへ手を伸ばしてくる。ちょっと耳かしてとか言いながら急かすように手招き。
「なあに?」
「いいから耳かして…えい!」
「ぎゃっ!」
 頭突きをされました。
「いいい痛いんだけどおおおっ」
 突然のことすぎて思わずどもる。もしかして反抗期か、親への反抗の時期か。…早すぎないかな!もっと甘えて欲しかったのにな!とか一人でもんもんと考えているとうーんとうーんととかなんとか何か考えているのか首をひねりながら神威が呟く。それから記憶の底の方に沈んだ何かを掬い出すように悩みながら立ち上がって私の両手を掴んだ。なんだこの体勢。どうしたんだ神威。
「…あの、よく解らないんだけど神威は何をしてるのかな」
「ぱぱの真似」
「…はい?」
「プロレスごっこ僕もしたい」
 血の気が引くとはまさしくこういうことなのだと思った。



ぱぱのまねばかりして!




「うおあ!!神威何してんの!?」
「あ、ぱぱ。僕もプロレスごっこしたいから技教えてヨ」
「違ううう!!あれプロレスじゃないからあああ!!いや技を極めるのはプロレスと同じなんだけど!!」
「銀ちゃんんんん!!」
「っや、ちがっ、ととととりあえず神威!!ままのお腹には赤ちゃんいるんだからぱぱとにしなさい!!」





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素敵企画「My Family」に提出しました∩^ω^∩
ありきたりネタですがとにかく神威に僕と言わせたかったのです。←
ありがとうございました^^


 






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