届くはずないこと知ってたんだ

 春雨は飛ぶ。高く高くいつものように。薄暗い空を越えて雲を抜けて上へ上へ。

『それだけ遠く

 それでも

それだけ遠く

 宇宙についても

君は行ってしまったのです』

 いろはいなかった。

はじめからね、
宇宙舟(こんなもの)じゃ

 暗い世界が続くだけで待ちわびた姿はどこにもない。死んだヒトは空に逝くんだって誰かが言っていたけれどやっぱり嘘だったようで現に俺はいろに会えてはいないのだ。

あえるはずないこと知ってたのに。

 ねえ、どこにいるの。

それでも僕は―。

 どこに行けば君に会えるの。

それでも僕は―。

 いつも変わり映えのしない景色は相変わらずで、どれだけ星が輝こうが綺麗な地球が見えようがいろがいなければ意味なんてない。会いたい、会いたい。と訴えるのにそんな俺の欲求に応えてくれるいろはもういないのだ。三つ編みをしてくれるいろはどこにも。



カムパネルラ




『神威、』
 いろに呼ばれたような気がして振り返った背後にはやっぱり誰もいなかった。





‐‐‐‐‐
某笑顔動画の某Pの名曲
好きすぎてこんなことに∩^ω^∩
地味にこうなる前の話を書く計画があったりします(^p^)


 






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