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突如目の前に現れた人物へほぼ条件反射的に拳を振り上げる。また掴まれたらどうしようという考えが過ったものの既に振り上げてしまった状態では後にも引けず、そのまま力任せに握り締めた右手を相手の顔面目掛けて放ってしまった。有り得ねえええ自分終わった!と胸中で死亡フラグを覚悟したのも束の間ばちこーん。と至極聞き慣れた音が鼓膜を震わせる。あれ? 「いだああああ…!なんなのいろちゃん!俺何かしたかなあああ!」 涙目で鼻を押さえながらそう訴いかけてくるさがるんになんだかわたしが悪いことをしたような気になる。あれ。いつものさがるんだ。…じゃねェエエエ!!!!その手には乗らないぞォオオオオ!!!! 「いけしゃあしゃあとなんなんだいさがるん!君はあんな、あんな破廉恥なことしておいてよおおお!!」 「えええなんのこと!?」 「えええなんのこと!?とぼけるのかあああ!おまっとぼけるのかあああ!!」 山崎退というやつは優男なんて生温いものじゃなくとんだ腹黒野郎だったらしい。でなければこんなに堂々ととぼけるだなんて芸当できるわけがない。というかいつの間に先回りしたんだ、服も着流しからすっかり隊服に着替えやがって白々し…あれ? 「さがるん、君は今まで一体どこにいたかな」 「あそこでミントン」 「をいいいい!!真実を求めてんだこっちはよおおお!!!!」 「真実だからあああ!粉う方なき真実だからあああ!」 ねっ原田さん!とすぐ傍でこちらの様子を伺っていた原田さんにさがるんが助けを求める。おお、今まで俺とミントンしてたぞ、ときらきら朝日に光る汗を拭う原田さんはとても嘘を吐いているようには見えなくてわたしのクールダウンし始めていた脳みそは再びぐつぐつと沸騰を始めてしまった。え。じゃあ誰なの。あいつ誰なの。さがるんそっくりな顔でわたしに下剋上しやがったあいつ誰なの。 「さ、さがるんんん…!ごめんねさがるんんんん!」 「あ、や、なんか誤解だったならいいよ」 そう言ってへにゃりと笑うさがるんにきゅんきゅんと先程とは違う意味で心臓が騒ぐ。もうこの際忘れよう。あれは夢だわ、そうに違いないわ。だってさがるんがあんなことするはずないもの、こんなに優しいさがるんがあんなこと、 「ねえいろちゃん」 「…あれ、さがるん喋った?」 「…ううん、俺は喋ってない」 「いい度胸だよねえ、俺に膝蹴りと右フックだなんて」 「……」 誰でもいいから、もう本当に誰でもいいからこの状況をこの非日常的状況を説明して下さい。 「副長ううううう!!!!ヘルプミィイイイイ!!!!」
山崎退が分離しました。
「うるせェエエエ!!!!朝っぱらからなんなんだテメー、ら…」 「ぎゃあああああ!!!!さがるん助けて!!!!こいつなんとかしてくれよおおお!!!!」 「酷いなあ俺だって"さがるん"なんだけど。何、何が不満なわけ」 「テメーはさがるんじゃねーよ黒崎だよ!!!!あっ副長助けて下さいまじでお願いしますほんとお願いしますこいつ手付きが、ひあっ」 「オィイイイイ!!!!俺の姿でいろちゃんに何してんだよォオオオオ!!!!」 「…えっ、なんなのこれねえなんなの、原田これなんなのなんで山崎増えてんの」 「…えっ、なんなんですかねこれ、なんなんですかね」
‐‐‐‐‐ 原田さん山崎とミントンしてたら可愛いですよね(^p^)www 山崎増えるとかこんな企画わたしだけが楽しい。←
続くかもしれない(^p^)エッ
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