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なんでパジャマなの、着流しか浴衣にしなよ楽だから。とかなんとか幾らか不服そうに呟くさがるんを見詰めながら未だに未収拾なこの事態を把握しようと既にオーバーヒートな脳みそでぐるんぐるん考える。どうしてこうなった。じゃない真面目に考えろ考えるんだわたしいいい! 「ひぎゃっ」 するる、と無駄に男らしく骨張っているさがるんの指がボタンを外したパジャマの胸元から中へと侵入してくる。その冷たさだとか目の前のやけに艷っぽいような表情をしやがる地味なはずの山崎退だとかについうっかり心臓が悲鳴をあげた。当然ながら悪い意味で、である。ざわざわと肌が泡立つような感覚にオーバーヒートな脳みそが更に熱く沸騰する。有り得ねえこいつ本気だ、あれっでもさがるんてこんなやつだっただろうか。いやいや只今絶賛下剋上中なわけで当然といえば当然というかわたしはノットブラジャーだボケェエエエ!! 「らめぇええええ!!!!」 「うがっ!」 そう考えたらなんとしてでもこの状況を自力で打破しなくてはと妙に力が湧いてきてしまってさがるんの腹部へ思い切り膝蹴りをかましてしまった。いやでもこれは地味なはずの山崎退に襲われて喰われそうな哀れないろちゃんの正当防衛であるからして、詰まり要約するとわたしは悪くはないということが言いたいのです。 「あ、ありえ、ない…っ」 不意打ちすぎて見事に反応し損ねたさがるんがわたしの手を押さえるのもやめて悶絶する。その隙にこちらへ覆い被さっていたさがるんの顔面へ泣きの一発(という名の右フック)を食らわせながらも先程の彼の行動が恐ろしすぎて慌てて逃げ出した。 「ふふふふくちょううう!!!!朝ごはん一緒に食べてくださあああい!!!!」 この際昨日買って今日つけるのを楽しみにしていた愛しいブラジャーのことは忘れよう。だって折角逃げ出したというのに山崎退に再び会いたくなどないしそんな山崎退のいる部屋になど戻りたくもない。一秒でも早く副長の部屋へ辿り着くためにばたばたと縁側を猛ダッシュする。時間はまだ早かったような気がしてまだ寝ている隊士がいるかもしれないと思い付いたけれども残念ながらわたしはそれどころではないのだみなさんごめんなさい。あとでパフェ奢ります勿論さがるんのポケットマネーで。 「あ、いろちゃんおはよう。今日は早いんだね」 「ぎゃあああああ!!!!」 「エエエエエ!!!!なんでェエエエエエ!!!?」
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