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「いーいーかーらああああ!!ままはすわっててヨ!僕が神楽にごはんあげるから!」 「わっ解った!!解ったから神楽を片手で持たないで神威ィイイ!!!!」 起きてそうそう神威と家の中を走り回る。珍しく一人で早起きをしたと思ったら神楽を抱えた私を見た瞬間此方へ走り寄って神楽をひったくるという暴挙に出た。慌てて取り返そうとしたものの五歳のくせにやたら力の強い神威はかなり手強くて正直私一人じゃ手に負えない。銀ちゃんは休みだからってベッドで爆睡かましてるしこんなに騒いでいるのに起きないし使えない旦那さまだ。いやまあ普段頑張ってお仕事はしているので労ってあげるけれども。 「ちゃんと大事に抱っこしてよ、ミルク喉に詰まらせないでね」 「わかってるヨ」 やっと追いかけっこが一段落してほっとしたのも束の間、神威が危なっかしい手付きで神楽を抱っこしながらミルクをあげる現場に立ち会うことになった。母乳はとっくに出なくなってしまったのでミルクは言わずもがな粉ミルク。どうしても今日は神威が神楽のお世話をしたいらしい、ちょっと前に銀ちゃんの真似ばかりしていたのが今度は私の番なのか神楽を此方へ譲る気配はまったくないわけで。困ったなあ、神威がもうちょっとお兄さんだったら安心できたんだけど。 「ほら神楽ごはんだヨ、今日はおにーちゃんでがまんしてネ」 よしよし、と意外にも器用にミルクを飲ませる神威に少し関心。ぱぱである銀ちゃんよりずっと物覚えと容量がいいらしく、ほんの数分前までいつ神楽を落とすか心配になる抱き方をしていたのが今では随分落ち着いていた。銀ちゃんは慣れるのに1ヶ月もかかったことを思い出してなんだか笑えてくる。神楽はお兄ちゃんにお世話されているのが嬉しいのかうばうばと喋りながらご満悦。 「まま、ちょっと待っててネ」 「…へっ?」 唐突に立ち上がってそう言った瞬間神楽を抱っこしたまま神威が玄関の方へとダッシュする。突然過ぎて少しも反応出来なかった私をよそに神威は一分も経たずに飛び出していったリビングへ戻ってきてにこりと笑った。神楽は再び片手で抱えられていてひやりとしたが落とすような気配はなくて一先ずは安堵する。よく見ると神威の左手は背中に回されていて何かを隠しているようだった。 「まま、今日はきゅうにちです」 「あ、うん、そうだね」 「だから、はい」 よくできた子、というのはこういう子のことを言うのですね。お母さんは感動して泣きそうです。
Love Mammy!
だから今日はお休みしてていいヨ、僕とぱぱで頑張るからネ。と真っ赤なカーネーションを私に手渡しながら笑う神威がものすごく成長したように見えた。神楽のお世話がしたい理由はそういうことだったのか。
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