ぎゅうぅぅっ

「留威っ留威っ」




しっぽを振る犬のように付きまとってくるこの男
名を雲雀恭弥という。
そして雲雀恭弥と書いて馬鹿と読む。




『やめて、邪魔。死んで』


「辛辣だね、でも好きっ!」







あのさ、場所をわきまえてほしいな。
ここ廊下だよ。生徒ドン引きしてるよ

いや、一応付き合ってるんだけどさ、
でもね、でもね
殺気バシバシ放ちながらトンファー首に突きつけられて
「付き合ってくれる…?」
なんていわれたらOKって言う他ないでしょ。
めっちゃ怖かったよ。目見開いて充血してハァハァ言ってたからね。

まぁ出だしは死ぬかと思うような出会いだったけれども。
一応好き。…一応だけど。
可愛いしね。




「ねー留威っ。応接室いこ?」


『やだ。授業出ないといけないし
 単位やばいからね』


「僕が権力でなんとかしてあげる」


『何やってんの早く応接室行こうよ』


「わぁい」


















『ひっつかないで』



「やーだ」




いつまでたっても甘えん坊な雲雀は
これでもかと言うほどくっついてくる。
胸に手が伸びてきたから
とりあえず鳩尾に一発いれてやった。






「留威っ!もう…彼氏に対してなんて態度なの!」



『彼氏といいつつなんでお母さんっぽいの!』




「孤高の浮雲だから」



『わかんない』



「僕も」




『なら言うなよ』



「ねーえ!彼女なんだから愛しのマイダーリンに愛してるくらい言ってよー!」




『なんで????????????』




「"?"の数に物凄く傷ついた」




『勝手に傷ついてろ!』



「ひどいっ!

 ねーえぇぇぇえええぇぇぇええ!」



『もーうるせえええええええ!!!』











言えるわけない。




だって
恥ずかしい よ。



  


return

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -