流星の行方を追う度に




「星見ですか?いいですねぇ。」
「ほら!古閑先生も良いって言ってることだし、今夜は星見だ!酒だぁ!」
「本音がただもれだぞ、直獅。」
「賑やかですねぇ。」

保健室でお茶をしていると陽日先生がやって来て今晩は暇かと訊かれ、暇ならば星見をしようと言う。暇だったのでそれを了承すると目をキラキラさせた。若いっていいなぁ。

その晩は3人が早めに仕事を切り上げて、屋上に集まった。今日は月がないから星が綺麗だろう。

「久々ですねぇ。3人揃って星見をするのは。」
「そんなに経ってましたっけ?」
「3ヶ月か、半年か、そのくらいですかねぇ。歳のせいか曖昧で。」
「記憶なんてそんなものでしょう。」
「そうですね。さあ、やりましょう。」

僕と星月先生はあまりお酒が得意ではないから、買ってきたお茶を飲む。陽日先生がお酒に呑まれて、星月先生が介抱して、僕がタバコを取り出したら、星見はお仕舞い。呆気ないように思われるけど、この温い日常がひたすらに愛しいのだ。



110604


  
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