葬送のアルビレオ




僕の最愛は僕より早くこの世界にさよならをした。残ったのは彼女がいた証と彼女の最愛でありたかったちっぽけな僕だった。



「古閑先生!」
「おや、陽日先生。」
「学食行こうぜ!」


僕は世間で言うところの妻に先立たれたその夫だ。先日、10日間ほど休みをもらい、することをすべてして、ホワイトボードの前に立った。陽日先生はそのことを気遣ってか、こうして学食に誘ってくれる。

「琥太郎センセも誘おうぜ!」
「はい。」

誰用でもない笑みを貼り付けて、僕は歩くのだ。






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