一年星詠み科の担任から有川が登校していない、欠席の連絡を受けてないか。と連絡がきたが、そんな連絡は受けてない。
有川は真面目そうなやつだから、無断欠席はしないはずだ。
寮に行ってみると伝え、実際に行ってドアをノックするが、返事がない。居ないのかと思い、ドアノブに手をかけると開いている。無用心だと思いながら開けると、自ら首を絞めている姿が飛び込んできた。


※※※



自虐行為を止めさせ、保健室登校をすすめると、すんなりと了承して俺の後ろをちょこちょことついて歩く。なんだか親鳥の後ろをついて行く雛鳥を彷彿させた。
保健室に入ってソファに座らせると有川は長い溜め息を吐いた。

「話せるなら、話してくれ。その方か少しは楽だぞ。」
「…あの、」
「ん?」
「…私、小さい頃から」

有川は途切れ途切れに話しはじめた。
幼い頃から星詠みの力のことで気味悪がられて、保健室登校が多かった。たまに今日みたいなパニック状態になる。ここに入学すれば何か変わると思ったが、人見知りも手伝ってうまくクラスに馴染めない。

「私の両親は子煩悩なので、邪見にはされませんでしたけど、…今思うと本当は私が邪魔なんじゃないかとか考えたりして、考え始めたら眠れなくなって、ここ2、3日寝てなくて…」

途中から喋りが止まらなくなった。今までの不安やら何やらを吐き出しているようにとれた。

「何なら寝るか?ベッドは空いてるぞ。」
「い、いえ…平気です。」
「心配するな。お前が寝ている間は俺もここに居るからな。」
「その、えっと…」
「どうした?」
「……ありがとうございます。私なんかの話を聞いてくださって。」
「礼なんていい。これが俺の仕事なんだ。それと、あんまり自分を軽蔑するんじゃないぞ。」
「…善処します。」

些か心配な返事をしたが、これだけ話してくれたと思えば、かなりの成果だろう。なんだか、無事に巣立つのを見守る親鳥の気分になってきたのは気のせいだろうか。そんなことを考えながらベッドに有川を寝かせて、俺は仕事にかかった。







110115



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