■追記



「勉強の方法なんていくらでもあるだろ。」

中学に入って最初の中間試験が終わってから少し経った頃そう言って、双子の兄は部屋からあまり出なくなった。
あまりというのは用があれば部屋から出てくるので、ヒキコモリと言うよりはヒキコモリ気味なのだと思う。
これを機に歳の離れた兄と彼は仲違いをしている。両親は最初は渋っていたが彼に説得されたのか許している。姉とは何やら条件を交換したらしくうまくやっているみたい。
週一のペースでやたら重い荷物が届くのも、彼が私に投函してくれと頼む大きくて分厚い封筒も、彼の彼なりの努力なのだと知っている。

「琥雪、学校楽しい?」
「ええ、それなりに。」

珍しく部屋を訪れた琥雅に問われ、そう返すと彼はひどく安心した顔を見せる。彼は私が同じように学校をやめやしないかとときどき不安になるらしい。

「後一週間で試験なの。学校に来てみたら?」
「...気が向いたら。」

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