さらっと言わないでよ | ナノ



学校へのだるい道をのろのろ歩いていると、ずっと前のほうに吹雪くんの姿が見えた。色素の薄い髪が太陽の光できらきら光ってとっても綺麗で思わず見とれちゃう。あ、ダメダメ。早く追い付かないと!!力なんかほとんど入れてなかった足にいっぱい力を入れて吹雪くんに走り寄る。やっとのことで追い付いて、そのまま華奢な吹雪くんに後ろから抱き着いた。

「吹雪くん!!!」
「わっ!!あ、君かぁ。ビックリしたぁ〜」
「吹雪くんは今日も可愛いね」
「僕は男だよ?可愛いなんて言われても嬉しくなんてないよー」
「だって可愛いんだもん」
「それを言うなら君の方が可愛いよ?」

にこにこしながら吹雪くんがさらっとそんなことを言う。なんだかすっごく恥ずかしくて、ほっぺが熱くなった。

「そ、そんなことないよ・・・・・・」
「ううん、君はすっごく可愛いよ。僕、君のこと可愛いから好きだよ?」

・・・・・・こうやって女の子達は吹雪くんに惚れちゃうんだろうな。ほんとに惚れちゃいそうだよ。

「冗談はほどほどにね?」
「冗談なんかじゃないよ。君は本当に可愛いから」
なんていつもほわほわ笑ってるくせに、こうゆうときに真顔になられても困る。ドキドキしちゃうから。

「・・・・・・やっぱ吹雪くんは格好いいや」
「ふふっ、君にそう言われるなんて嬉しいよ」
「惚れちゃったじゃん・・・・・」
「僕も君に惚れちゃってるから大丈夫だよ?」
「ぇ・・・?」
「あ、そうだ!!ねぇ、今日学校サボっちゃおうよ」
「な、なんで?」
「僕、君とデートしたいな。君はどう?」
「し、しょうがないからサボるの付き合ってあげる!!!吹雪くんの頼みだしね!!!!」
「僕は吹雪じゃなくて、士郎だよ?」
「士郎くん?」
「うん、それでいいよ」


士郎くんは私の手をぎゅっと握って、またふわりと笑った。




0723 吹雪

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